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2025プロ野球シーズン展望 熱戦、始まる

<挑戦者の声>広島・大瀬良大地インタビュー より高い壁になって「新しいことにチャレンジして、より大瀬良大地というピッチャーを確立させていきたい」

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あらがって、負けたくない――。チーム最年長投手は、若手の積極起用の流れに挑んでいく言葉を口にした。『変化』を掲げるチームで、今季34歳となるエース右腕も進化を遂げる。投手としての飽くなき探求の原動力は、頂点への渇望。12年目の決意を、その姿で示す。
取材・構成=相原礼以奈 写真=川口洋邦、下田知仁

大瀬良大地[広島/投手/33歳]


悔しさを胸に進化の途中


 昨季、チームはシーズン終盤の9月に、首位から4位に沈む歴史的失速。悔しさの消えないオフ、大瀬良大地は元日も休まず自主トレーニングに励んだ。春季キャンプでも、シーズンを見通した準備に余念なし。実直なエースが、巻き返しを期すチームを引っ張っていく。

──春季キャンプを経て、現在の調整具合はどうですか。

大瀬良 キャンプでやりたかったこともできて、ここまでは順調かと思います。最初の登板予定だったオープン戦(3月6日、ZOZOマリン)で寒さもあって登板を回避して1回飛ばす形にはなりましたが、その日にブルペンに入って球数もしっかり投げて、いい調整ができました。遅れることもなく、むしろ試したい球種が試せて、スライダーの感覚もいいものが戻ってきた。数を投げて感覚を取り戻す意味でも、逆にブルペンになったことで良かったのかなと。

──ブルペンでの調整は、試合を想定したものですか。

大瀬良 そうですね。最初に試合前の20~30球を投げて、少し間を空けて、2イニング分の20球を2セット、ちょうど70球ちょっとぐらい。次の相手の打順を想定しながらカウントをつけて投げる形でやっていました。

──春季キャンプ中は、昨季の9月を踏まえて、疲れの出る時期を想定して追い込むような練習も行っていました。

大瀬良 もともとたくさん走ったり、数をこなしていくタイプではあったんですけど、やっぱり年齢を重ねていくと、それよりも体のコンディションを優先していかなきゃいけない場面が増えます。できるだけ体にむち打つことで、夏場を含めて1年間、しっかりといいコンディションを保てる体力を付けておきたいという意味合いもあって。昨年の最後のほう、思うようにパフォーマンスも出せなかったので、あの1カ月をどう取り返そうかと考えたとき、しっかり今、下地をつくっていくことでどうだろうと考えて取り組みました。

──具体的な取り組みとしては?

大瀬良 もう今年34歳になるので、ランニングメニューにしても少しずつ若い子よりは本数が減ったりタイムが少し緩めの設定になったりしますが、僕は本当に若い子たちと同じ本数、同じ秒数でやってきました。体の張りが強ければトレーナーさんに相談したりしながら、九割九分、一緒のことを。トレーニングも、しんどくなっても重量とかは変えずに、むしろ少し上げるぐらいの感じで頑張ってみようと、チャレンジしていく形でやっていました。

──手応えは、いかがでしょうか。

大瀬良 今のところは、すごくあります。キャッチボールやブルペンではある程度自分でも納得できるようなボールが投げられていますし。対外試合の中で・・・

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