期待の大きさは誰よりも自分自身が一番よく分かっている。得点力不足に喘ぐ打線の中で一発長打が期待できるロマン砲。6年目にして開幕四番に座りながら、歯がゆい結果が続いているが、いずれ本来のバッティングを取り戻してくれるはずだ。この男の快音なくして、チームの浮上も優勝もない。 取材・構成=牧野正 写真=松村真行、BBM 期待と重圧の大きさ
本拠地開幕戦となった4月1日の巨人戦。開幕セレモニーで最も大きな声援を浴びていたのは背番号25の石川昂弥だったかもしれない。誰もが認めるポテンシャルの高さ。四番という特別な場所に座ることが許されるだけの条件を石川昂は備えている。この5年の成績には本人もファンも納得していない。ついに開幕四番に座った6年目の今年こそ──。 ──今年にかける思いは相当強いのではないでしょうか。
石川 そうですね……キャンプから徹底的に教えていただいて、何としても結果を残したい思いは、それはもちろん毎年そうなんですけど、今年は特に強いですし、もう本当にそれだけです。
──地元の東邦高からドラフト1位で
中日に入団して、今年で6年目になりますが、ここまであっという間でしたか。
石川 もう5年も過ぎたのか、という感じです。あっという間です。いろいろなことがありましたから……。120試合に出たシーズンもありましたし(2023年に121試合)、大ケガをしてしまったシーズンもありました(21年に死球で左尺骨骨折)。
──生え抜きの和製大砲として周囲からの期待は非常に大きいと思います。どのように受け止めていますか。
石川 もちろん期待の大きさは感じていますし、声援を受けているという実感もあります。チームで四番という打順を打たせてもらっていますから、そういう意味でも期待されているのだと思いますし、その期待に何とか結果で応えたいなと思っています。
──なぜ、これほど期待されているのだと思いますか。
石川 さあ……どうですかね、やっぱり地元(出身)ということが大きいんじゃないですかね。
──キャンプ、オープン戦を通じて、一番取り組んできたのは、どんなことでしょうか。
石川 一番はしっかりと「強く振る」ということ。四番を打つバッターとして期待されている以上、当てにいくバッティングをしていては……というところもありますから。どっちかと言うと、そういうこと(当ててしまう)が多いバッターでもあるので、そういうことがないように、もっと四番らしく打つという意味でも、しっかりと「強く振る」ということを松中さん(
松中信彦打撃統括コーチ)とやっていこうと取り組んできました。
──確かに、器用なところがあるというか、うまくバットに当てて打つシーンはよく目にします。
石川 もともとそういうのが・・・
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