いつから「優勝」を口にすると、これほど気恥ずかしくなったのだろう。この10年は優勝争いどころか、CS争いもできないほど低迷している現実。今年も野球評論家のほとんどは下位予想。OB評論家が忖度して、やっと4位。それでも「今年は分からんがや!」と淡い期待を抱かずにはいられない。毎年のように裏切られても応援し続ける――それがドラファンなのだ。 文=富坂聰 写真=BBM 
全国区の人気を誇るドアラ。選手よりも目立ち、有名な部分があるのは、ファンにとってはちょっと複雑!?
ドラゴンズ特集で原稿執筆の依頼が来た。しかも、あこがれの『週刊ベースボール(ベーマガ)』からだ。
きっとドラゴンズに関する変な本を書いたからだ。
欣喜雀躍(きんきじゃくやく)――。と手放しで浮かれたいところだが、ぬか喜びは禁物だ。
編集会議の様子が目に浮かぶようじゃないか。「ドラゴンズ特集はどうせ春にしかできないから、早めにやっとくか」だ。おそらく。
春だけのドラゴンズ。
なんて神々しい響きだ。桜のようではないか。4月に咲いてすぐに散り始めるなんて。日本人に生まれてよかった。
「台風がゆくころは……」なんてユーミンの曲(『Hello, my friend』)の歌詞もあったけど、ドラゴンズは海の家より先に店じまいする。
そう考えるとドラゴンズの選手って、自給換算の収入はメチャクチャ高くないか。
だって同じような年俸をもらってるのに、クライマックスシリーズも日本シリーズも、家でのんびりテレビ観戦できるんだ。
デービッド・アトキンソンは日本人の生産性が低いと散々貶したが、ドラ戦士の時間当たりの生産性の高さは飛び抜けている。
いやいや、違う。そういう話じゃないんだ。
ナメンナヨ!
中日ドラゴンズは強い。
やればできる子だって、そろそろちゃんと見せておかないと。
実際・・・
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