地元ファンが待ち焦がれた指揮官、それが立浪和義監督だったはずだ。球団初となる3年連続の最下位は、だからこそ失望もまた大きかった。それでも大胆に改革を推し進め、チームを変えようと力を尽くした。失われた3年間ではない。その芽が出るのは、これからだと信じたい。 文=玉野大(スポーツライター) 
立浪和義前監督
血の入れ替えを断行
旧知の週刊ベースボールの編集者M氏からの原稿依頼に、頭を抱えた。
「立浪和義が遺したもの」で書いてほしいという。いつもなら「喜んで」と請け負うところではあるが、建築でいうところの完成予想図がなかなか自分の頭に浮かんでこなかった。もちろん「ポジティブな内容で」の注文付き。ですよね。ネガティブな記事など書かせる意図はなく、こちらも書くつもりは毛頭ない。それでも「今さら……」の思いはどうしても拭えなかった。
誰もが認める3代目ミスター・ドラゴンズは、現役引退から実に12年もの雌伏の時を耐え、満を持して愛してやまないドラゴンズの監督に就任した。しかし3年連続最下位に沈み、その任期を終えた。
2022年/66勝75敗2分け。2年連続最下位から優勝した
ヤクルトとは15ゲーム差。
2023年/56勝82敗5分け。「アレ」を成し遂げた
阪神に、実に29ゲーム差。
2024年/60勝75敗8分け。4月には一時首位に立ち、沸かせたが阿部
巨人に16.5ゲーム差。
初年度が
広島に0.5ゲーム差。2、3年目にいたっては・・・
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