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東京六大学野球100周年

<元プロ・現役指揮官対談>小宮山悟(早大監督/元ロッテほか)×大島公一(法大監督/元オリックスほか) 令和の学生と向き合う監督

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早大と法大の同学年で4年間、神宮で天皇杯をかけた名勝負を繰り広げた。プロ入り後も対戦機会があり、時を経て、母校指揮官として対峙する間柄となった。
取材=岡本朋祐 構成=中野聖己 写真=矢野寿明、BBM

2025年春から、左袖には結成100周年の記念ワッペンを着けて戦う。早大対法大戦は第3週[4月26日~]に控えている


「100」という数字の尊さ


──まず、東京六大学結成100年を迎えた率直な気持ちからお願いいたします。

小宮山 東京六大学連盟には歴史と伝統という言葉がぴったりだと思っています。私は単純に早稲田へのあこがれから始まっていますけど、いざ入学して4年間を過ごし、在学中はもちろんですが、卒業してさらに本当にすごいところだったんだなということを痛感しています。今の指導のベースもそれです。我々が紡いできたものが、また次からの100年にいい形でつながってくれればと思います。

大島 僕は学生野球を指導して今年で5年目になります。本当に小宮山監督が言われたように、六大学のすごさを今、肌で感じています。学生時代に分からなかったこと、重さや深さを毎日感じさせていただいています。神宮球場で築いてきた伝統の深さを、引き続き、次の100年に向けてつないでいければと思います。

──開幕日となった4月12日、神宮で記念碑の除幕式を終えました。「発祥の地」としての意義をどうお考えでしょうか。

小宮山 神宮球場は特別な球場だという思いも込めて、100年、200年と語り継がれていけばと思います。連盟結成翌1926年、都心の一等地に、学生が野球をするための球場ができた設立時点の思いを忘れてはいけない。早慶戦開催時に東京ヤクルトスワローズが別の球場で試合をするというのも、六大学に対する敬意の表れでしょうし、6チームでずっと戦い続けている歴史は世界的に見てもなかなかない。そういったことも含めて六大学の一員として恥ずかしいことをしてはならないという思いは強いです。

大島 世界でも例を見ない日本独自の文化だと思います。絶やしてはいけないし、さらに進化させていかないといけない。そういう責任を受け止めて、学生とともに、ふさわしさを追求していきたいと思います。記念の年に監督をやらせていただけるのも、非常に光栄なことですし、責任を感じるなかで、自分なりに最善を尽くしていきたいと思っています。

小宮山 簡単に「100」って言いますけど、とんでもない数字ですから。大島さんもおっしゃいましたけども、そのタイミングで母校のユニフォームを着て指導していることの尊さを感じています。

──レジェンド始球式も行われます。

小宮山 オールドファンが泣いて喜ぶような方も登場すると聞いています。春は早稲田からは谷沢(谷沢健一)さんと和田(和田毅)君が投げます。応援してくださる六大学ファンの方々に喜んでもらえるような記念すべき始球式になればいいと思います。

大島 法政は山中(山中正竹)さん、山本浩二さん、田淵(田淵幸一)さんと、第一次黄金期のメンバーがそろって始球式をされます。この貴重な機会に、学生にもリアルなお言葉をいただきたいと思いますね。

──11月29日には六大学出身のNPB所属選手、コーチとの記念試合が行われます。30年前の連盟結成70周年記念試合では小宮山さんが先発し、大島さんも一番・二塁で先発出場されていました。

小宮山 現役の相手投手は明治の川上憲伸でしたが、初回からいきなりプロが6点を先制しました。先発して(1回1安打無失点)交代し着替えてベンチに戻ったら、まだ攻撃していて、プロってすごいなと思ったのを覚えています。

大島 僕は出ていたのかな。まったく記憶になくて・・・

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