同じ系譜をたどる“同志”の絆は自然と強くなるものだ。それぞれ慶應義塾高から慶大に進学した先輩・後輩は大学4年間で培った誇りを胸に、互いに切磋琢磨する。慶應の伝統である『エンジョイ・ベースボール』の精神を貫き続け、プロの世界でも体現していく。 取材・構成=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭、BBM 輝かしい記録と表紙
2020年から2年おきに入団した柳町達、正木智也、廣瀬隆太の共通点は、慶大出身。しかも、3人とも慶應義塾高(神奈川)からの内部進学組とあって、プロ入り後は「慶應3兄弟」と呼ばれるように。東京六大学リーグでそれぞれに1年春から出場を重ね、チームの勝利、優勝にも大きく貢献。慶應で過ごしたかけがえのない日々が後押しするプロでの成功。懐かしい話でも盛り上がりながら、3兄弟が軽快なトークを繰り広げる。 柳町 連盟創設100周年ですか! 素晴らしい歴史ですね。
──慶大時代は4年間、小社発行の『大学野球』で取材させていただきました。
3人 ありがとうございました!
──3選手の中で表紙を飾っている方もいるのですが。
正木 (自信を持って手を挙げて)はい!
──もう1人……。
(3人で顔を見合わせたあと、柳町と正木で廣瀬を見つめる)
廣瀬 僕ですか!?
(正木と廣瀬が表紙の小誌を手渡す)
柳町 おーッ! いいじゃん!
廣瀬 思い出しました、思い出しました。
正木 (違う号を見ながら)達さんもカラーページでインタビューが載っているじゃないですか!
柳町 3人ともベーマガさんに貢献していますね~。
──ありがとうございます!
柳町 いえいえ、こちらこそです!
──ここからは在学当時を振り返ってもらおうと思います。大学4年間、神宮球場での思い出を教えてください。
柳町 4年間8シーズンで3回、リーグ優勝を経験できたのは、すごく良かったですね。4年秋の最後、(明治)神宮大会での優勝もありますが、まずは六大学を制するという目標がある。そこがなかなか経験できない人も多いですから。
正木 僕のときは新型コロナ禍とかもありましたけど、ほぼ毎シーズン優勝を争っていて。最後の最後まで天皇杯争いをすることも多かったです。そして何より、4年間で4位以下が1回もなかった。強いチームでやれて、すごく幸せでした。
廣瀬 僕もリーグ優勝を3回、日本一も2回(21年の全日本大学選手権、23年の明治神宮大会)あって。自分たちの代では春は勝てなかったんですけど秋に勝って、学生野球集大成の神宮大会で優勝したのが、すごく思い出に残っています。
柳町 やっぱり優勝で終わる、あの喜びは何物にも代えがたいよね。
──廣瀬選手だけ大学在籍中、先輩2人とは異なる経験をされているのですが、なんだか分かりますか。
廣瀬 僕だけですか……(熟考)。
正木 あー、分かった! ヒント・・・
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