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2025ユニフォームの現在地 グランドを彩る伝統と革新

<ユニフォーム対談>綱島理友(コラムニスト)×イワヰマサタカ(イラストレーター) 本誌連載コンビが熱く語り合う

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本誌で「ユニフォーム物語 令和の完全版」を連載中であり、プロ野球のユニフォーム研究についての第一人者であるコラムニスト・綱島理友氏とイラストレーター・イワヰマサタカ氏の黄金コンビに、昨今のユニフォーム事情について、マニアックに語り合ってもらった。
取材・構成=落合修一 写真=小河原友信

綱島理友[左]とイワヰマサタカ


ビジター用はグレー


――まず、今年のユニフォーム界ではどこに注目していますか。

綱島 巨人阪神。伝統を大事にした原点回帰の傾向はいいね。ティファニーがデザインした巨人のビジター用が、今は気に入っていますね。

イワヰ モノトーンの。

綱島 色をあまり使っていなくて、それが逆にすごくカッコいい。

イワヰ 帽子の「TG」のマークも今までと違う感じで。

綱島 最初に出たとき、ニューエラの人に「絶対に売れるよ」と言ったんだよ。ファンにとっては「待ってました」という感じじゃないの。阪神はビジター用の帽子がグレー基調。

イワヰ 今までにないパターンでしたね。逆はあっても。

綱島 あれは球団創設のときのスタイルなんだよね。創設時は帽子のマークがなかったけどね。一応、ホームの縦縞は帽子も縞で、ツバが白。今、再現してもサマにならないかな。

イワヰ ユニフォームも縦縞のラインが薄くて、主張していなかったですよね。

綱島 初代のユニフォームはとにかく縦縞が薄かったので、写真によっては真っ白のユニフォームに見える。でも、間違いなく縦縞の日本プロ野球第1号は阪神。ほかの球団はやっていなかったから。阪神は創立時からのスタイルを大事にしているのが素晴らしい。まさに伝統球団。縦縞と言えば、ロッテのホーム用もすでに立派な伝統になりつつあるような気がします。

イワヰ 1995年からなので、今年で30周年なんですよね。

綱島 ピンストライプは毎日オリオンズもそうだったので、先祖返りなんだよね。95年に登場したときは、毎日時代からのオールドファンが歓喜したとか。今年のビジター用はグレーやめちゃったんだっけ?

イワヰ 今のビジター用は、上だけ黒ですね。グレーはイベント用で。

綱島 ビジター用はグレーがいいよね。今はそういう気がする。

イワヰ やはり、プロ野球のビジターユニフォームとしては王道の色ですからね。

綱島 アメリカのビジター用で割と流行しているのが、パウダーブルー。でも、日本ではグレーのほうがおしゃれかなという感じがする。

イワヰ 今は昇華プリント全盛になりましたね。

綱島 半分くらいは昇華プリントになっちゃった。でも、日本のメーカーのマークの技術って、すごいんだよね。細かくて丁寧で美しい。

イワヰ 刺しゅうですよね。

綱島 ああいう技術が消えていくのだとしたら残念です。歴史的には、1960年代くらいまでの刺しゅうはひどかったけどね。図柄に統一感がなくバラバラで、稚拙だった。

イワヰ そうでしたね。背番号の数字の形もおかしいのがありました。

綱島 それが、70年代くらいにキレイになってきて、90年代の刺しゅうの素晴らしさ。ユニフォームを見て、工芸品を見るように感動していた。

イワヰ 昇華プリントになると、そういう文化が消えるわけですね。

綱島 アメリカもシティコネクトとかはどうかと思うけど、ホーム、ビジターのレギュラーはちゃんと野球のユニフォームを好きな人がデザインしているような気がする。

イワヰ そうですね。

綱島 日本だと・・・

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