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2025ユニフォームの現在地 グランドを彩る伝統と革新

<製作の裏側>ミズノの担当者を直撃 令和の“最新事情”を探る!「軽さとストレッチ性がキーワードなんです」(羽柴翔太さん)

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最先端を行くプロ着用の“戦闘服”は、いかなるものか。セ・パ6球団と日本代表のユニフォームを手掛けるミズノ株式会社の担当者を直撃。令和の“ユニフォーム最新事情”を探って見えてきたものとは──。細部にわたる選手の要望に応える作り手の努力と工夫が進化を支えている。
取材・文・写真=鶴田成秀

ミズノ株式会社・羽柴翔太さん


進化は生地にあり


 選手の技術が進化を遂げ、野球そのものが変化を続けている中で、決してユニフォームも無関係ではない。“戦闘服”の進化も、プレー向上を支えているもの。最大の進化は「生地です」と言うのは、阪神広島(ホーム用のみ)、中日日本ハムロッテ楽天の6球団のユニフォームを製作しているミズノ株式会社のグローバルアパレルプロダクト本部、コンペティションスポーツ企画・ソーシング統括部の羽柴翔太さんだ。

「軽ければ動きやすさにつながり、ストレッチ性が高ければ可動域が広がって、こちらも動きやすさを呼ぶ。求められるのは、もちろんプレーのしやすさとあって、軽さとストレッチ感がキーワードなんです」

 厚い生地であれば破れにくい一方で重さが増す。軽さを求めて生地を薄くすれば、今度は破れやすくなる。耐久性と軽量化──。双方のバランスがユニフォーム製作の難しさである中で、羽柴さんが「その2つのギリギリのバランス」と言う『SLメッシュ』は、同社がユニフォームを製作している6球団が採用しているものだ。「Sはストレッチ、Lは軽さを意味するライト。伸縮性に優れたメッシュであり、軽量感にも優れています」という素材こそ、ユニフォームの進化そのもの。一昔前の“メッシュ”は、目視で素材のキメ細かな穴を確認できたが、『SLメッシュ』は目視では認識できない。この“小さな穴”こそ進化を物語る。

「今までも通気性や汗処理を考えてのメッシュ素材でしたが、今では大きな穴を開けなくても吸汗・速乾を高める技術が向上しました。それを実現させたのは、生地が薄くなったことが大きい。今までは生地が厚かったため・・・

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