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ダルビッシュ有特集 野球界発展へ道標を示すレジェンド

<元NPB審判員・山崎夏生氏が証言>『日記』で振り返る無双へと駆け上がった剛腕「野球が人を作り、立場が人を作るという最大最高の実践者」

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捕手の次に、投手のボールを間近で見ているのが球審だ。ここでは元パ・リーグ審判員に、ダルビッシュの思い出を綴ってもらった。マスク越しに進化する姿を目撃していた。

2年目まではまだまだと思っていたダルビッシュ。体も大きくなり徐々に無双状態となって、メジャーに行く前には驚異的な数字を記録するまでの投手になった[写真は2010年5月、函館で岩隈と投げ合ったとき]


特に強烈な印象を残した右腕


 私が一軍球審を任されたのは1988年以降ですが、当時はパ・リーグを代表する豪球投手たちがしのぎを削り合っていました。まずは村田兆治(元ロッテ)さん、そして野茂英雄(元近鉄ほか)、伊良部秀輝(元ロッテほか)と続き、世紀が変わるころからは松坂大輔(元西武ほか)、ダルビッシュ有田中将大(現巨人)と続きます。皆、見上げるような大男ばかりで150キロをゆうに超えるスピードを誇りました。マウンド上での風格や威圧感はハンパじゃありません。そんな中でも、特に強烈な印象を残したのがダルビッシュ有投手だったのです。

 彼をリアルに見たのは2005年に入団してから、私が現役を引退する10年までのわずか6年間です。12年以降はMLB入りしましたから、NPBでの登板数は167試合。ですから球審・塁審として同じ試合に出たのはせいぜい数十試合程ですが、なぜそんなにもインパクトがあったのか?

 実は19歳のころからずっと日記を書いています。ダメな自分を素直に認め、日記の中に封じ込めようという思いからでした。ゆえに愚痴や泣き言ばかりなのですが・・・

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