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2025ドラフト特集 プロ注目選手の最新動向!!【高校生クローズアップ】

<甲子園を目指す公立の星>富島高・岡村了樹(捕手) 3拍子で魅了する絶対的司令塔「プロ野球で活躍して、応援される選手になりたい」

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昨夏は甲子園まで、あと一歩のところで涙をのんだ。宮崎大会決勝で対戦した宮崎商高・中村奈一輝は同年10月、中日から育成ドラフト1位指名を受けた。県立高校で活躍した先輩の背中を追い、強肩強打捕手も高卒でのプロ入りを目指す。
文=岡本朋祐 写真=上野弘明

主将で三番・捕手とまさしくチームの大黒柱。ムードメーカーでもあり、学校でも模範的な生徒である


「秘境」で育まれたセンス


 宮崎県立富島高等学校は2018年春、19、22年夏の甲子園出場の実績がある。18年春のセンバツで日向市内の高校が聖地の土を踏んだのは、織田淳哉(早大-元巨人)が2年生エースだった1989年夏の日向高以来。全国的にほぼ無名とも言えた県立校が、短期間で全国舞台へ名乗りを上げた理由は一つ。今年3月末までチームを率いた、濱田登監督の功績だ。

 宮崎商高出身。九州国際大では学生コーチを務め、卒業後は地元の電算関連の企業に就職。商業科教諭としてのスキル(英語、PC)を高めるため4年間、働きながら採用試験の準備も進めた。94年からの都農高が初任で9年間勤務しコーチ、部長、監督を歴任後、03年に宮崎商高へ転勤し、副部長を経て04年に監督就任。08年に左腕エース・赤川克紀(元ヤクルト)を擁して39年ぶりの甲子園出場を遂げ、初戦突破を果たしている。

 富島高に就任した13年4月は部員11人。グラウンドには倉庫2つしかない状況から土を手配し、バックネットも手作りで組み立てた。翌年には濱田監督を慕う有力選手18人が入学し、15年秋と16年春に九州大会出場。地元の選手を鍛え上げ、春1度、夏2度の甲子園出場と、県上位常連校へと育てていく。ごく一般的な公立高校である。「何もないところから一つひとつ積み上げた」。濱田監督の指導力を頼りに、地域の子どもたちが集まってきた。岡村了樹もその一人だ。

「先輩が富高(とみこう)に進んでおり、『強い』と聞いていたので決めました」

 学校から60キロほど離れた東臼杵郡椎葉村出身。およそ96%が森林で占められ・・・

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