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2025ドラフト特集 プロ注目選手の最新動向!!【大学生クローズアップ】

<16年連続指名を目指す逸材>神宮の主役に躍り出る MEIJIクインテット

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明大は2010年から昨年まで歴代最長15年連続でドラフト指名を受けている。1965年に始まった同会議において、同一年度での大量指名選手輩出チームは昨年、富士大が過去の5人(1977年・法大、91年・東北福祉大、2000年・プリンスホテル、05年大学・社会人ドラフト・NTT西日本)を上回る6人に更新した(支配下5人、育成1人)。今年の明大はこの数字に迫るだけの可能性がある。
取材・文=岡本朋祐 写真=田中慎一郎

明大の活動拠点である内海・島岡ボールパーク。球場、室内練習場、トレーニングルーム、合宿所がすべて同じ敷地内にある恵まれた環境だ[左から菱川、大川、高須、毛利、久野]


競合1位狙う153キロ右腕


 昨年11月に就任した明大・戸塚俊美監督によると、個人面談を経て、今年は最大7人がプロ志望届を提出する。野手は主将の二塁手・木本圭一(4年・桐蔭学園高)に、昨夏は侍ジャパン大学代表でプレーした強打の捕手・小島大河(4年・東海大相模高)。投手は右腕3人に左腕2人。「明大クインテット」を前面に、2023年春以来の東京六大学リーグ制覇を狙っている。

 明大は2010年から昨年まで、歴代最長の15年連続でドラフト指名を受けている。153キロ右腕・高須大雅はあくまでもチームを勝たせることが大前提の上で「16年連続」についてこう言及した。過去に同一チームから指名されたのは6人が最多であるが、投手5人が指名された例もない。

「5人とも(プロを)狙えるチャンスがあるので、(ドラフトの)記録として残ればいい。それぞれ刺激し合い、上のレベルを目指しています。(連続指名は)先輩方も意識していた部分があったと思います。自分たちが2年生のころ、1学年上の宗山さん(宗山塁楽天)が活躍していて『(昨年までは)確実に続くだろう』と皆で話していました。自分たちの代で、途絶えさせるわけにはいかない」

 高須は193cmの長身から、角度のあるボールを投げ込む。昨春は最優秀防御率を受賞し、夏には侍ジャパン大学代表でプレー。秋はコンディション不良のため、シーズン途中離脱したが、戸塚監督は「実績と信頼がある」と、今春からエース番号『11』を託している。故障から復帰した今春は2カードを終え、東大2回戦では約1年ぶりの白星。勝負となるリーグ終盤に向けて調子を上げていく。背番号『11』については「やることは変わらない。昨年以上に責任を感じる。投手陣を引っ張っていけるように、自分が一番活躍する」と表情を引き締める。静岡高時代からプロ注目の存在だったが「ドラフト1位で指名を受けるため」明大に進学した背景がある。「タイミングもありますが(1位入札で)競合していただければありがたいです。それが評価ですので」と語る。

先輩と後輩の背中


 東大、慶大との開幕2カードで1回戦の先発を務めたのが149キロ左腕・毛利海大だ。先発3試合で2勝を挙げ、防御率0.95の安定感。高須は「ライバル」と公言しつつ「自分と毛利がしっかり投げれば、優勝も見えてくる」と共闘を誓っている。

 毛利は昨春途中から先発に定着すると、秋は自己最多3勝を挙げた。だが、76年ぶりの早大と明大による優勝決定戦では3回1失点で降板し、敗戦投手になった(0対4)。「初めて同級生の伊藤樹(仙台育英高)と投げ合いましたが、目の前で完封され、その差をまざまざと見せつけられました。あの悔しさは忘れない。今春は最優秀防御率、ベストナインを狙う」と、高須と高め合っている。

 福岡大大濠高では1学年上の山下舜平大(オリックス)が高卒でプロ入りし、山城航太郎は法大を経て昨年、日本ハムから6位指名された。「昨年は柴田(柴田獅子)も高校からプロ入り(日本ハム1位)し、プレッシャーもありますけど、自分も上位指名で続きたい。この春が勝負。この春次第で決まります」。先輩・山下の衝撃的な秘話をこう明かす。

「コロナ禍で約1カ月の練習自粛があったんですが、再開すると、体つきが変わっていました。『何、やっていたんですか!』と聞いたほどです。真っすぐの球速も一気に伸びて154キロ。そのままドライチです。相当、努力をされたんだな、と。自分に置き換えると、武器がありませんでした」

 高校3年時にプロ志望届の提出を考えたが・・・

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