グラブの進化は技術の進化とともにある。日本人のパワーも増した昨今は、球速も打球速度も軒並み向上。アマチュア球界のレベルも格段に上がっただけに、技術向上をサポートする道具への興味も増す一方だ。長年にわたって全国のプレーヤーにグラブを提供しているミズノ株式会社の担当者に話を聞けば、令和の時代に求められるグラブが見えてくる。 取材・文=鶴田成秀 写真・画像提供=ミズノ株式会社 
ミズノ株式会社・茂木結矢さん
異なる変化と進化
歴史は150年以上に及ぶ。1860年代にアメリカで誕生した野球は当初、素手でプレーされ、捕球時に手を負傷する選手も多かった。手を保護するために1870年代に誕生したのがグラブだとも言われるが、当時はまだ“グラブ”と言うより“革の手袋”。次第に捕球面が革で厚くなり、指先が紐で結ばれるなど、現在の形に近づいていった。
昭和、平成、そして令和――。時代とともに進化を続けてきたが、「ほかのアイテムに比べ、昭和から大きくは変わってはいないんです」と言うのはミズノ株式会社の茂木結矢さん。同社はポジション別に形状を変化させるなど、グラブの最先端を走ってきた中で、「変化がない」と言う理由は素材にある。
「金属バットでは、2000年代に弊社の製品『ビヨンドマックス』が打球部にウレタン素材を採用して打球飛距離を伸ばすバットを開発しました。
シューズも革底から樹脂底となり大きく変化しています。そんな中でグラブは昭和から平成、そして令和の現在に至るまで、基本的に天然皮革を使い続けていますから」
ただ、“変化”と“進化”は異なるもの。素材が変わらずとも機能面は劇的に向上。プレーヤーがより求めるようになったのも、そんな機能性だからこそ、グラブは進化を続けている。象徴するのが、ミズノから今年に発売された投手用グラブ『SPEEDREVO』だ。製作、開発にあたって打ち出したコンセプトは『球速の向上』――。目を向けたのは捕球ではなく投げることだ。きっかけは「球速を上げたいと言うピッチャーが多かったんです」(茂木さん)と、選手の声にほかならない。
着手したのは、投球フォームの動作解析だった。球速アップを果たすための体の使い方の原理を知ることこそがグラブづくりの方向性を定める。プレーを支えるための“グラブづくり”だからこそ・・・
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