昨年のドラフトで5球団が1位入札。「即戦力」の評価どおり、開幕から遊撃手の定位置を奪取し、オールスターにも初選出された。球団屈指の人気を誇り、実力も言わずもがな。それでも決しておごることなく、ひたむきに野球と向き合う姿に、老若男女が惹きつけられる。努力できる天才。その優れた人間性は、広陵高で培われた3年間が大きく影響している。 取材・構成=阿部ちはる 写真=桜井ひとし、BBM 生活が野球につながる
22歳、新人とは思えない落ち着きぶりは、プレー中にもよく表れている。実直な性格は幼少期からの家庭環境だが、広陵高で主将を務め「人間教育」に重きを置く中井哲之監督の下で、感謝の心も養った。野球への真摯な取り組み、冷静さの根底は、広陵高で過ごした高校生活にある。 ──プロ野球は毎日、試合が続いていますが、広陵高で学んだことが、今に生きていると感じることはありますか。
宗山 中井監督にはたくさんのことを教わりましたが、一番は今の環境に感謝すること、ですね。野球ができていること、もっと言えば、何不自由なく暮らせていること。そこを当たり前だと思わないように感謝の気持ちを忘れてはいけない、という教えは今でも大切にしています。『お前たちは、恵まれているんだぞ!』といつも言ってもらっていましたし、その言葉があったからこそ、どんな環境でも頑張れるのかなと思います。
──明大進学後も、広陵高での学びが生かされていたそうですね。
宗山 はい。広陵高校野球部では自主練習を重んじているのですが、自分で考えて練習する習慣を、高校3年間で身につけることができたことは、本当に良かったなと感じます。明大に進学したときに自分で練習する時間や1人の時間が増えたので、その習慣がついているかいないかでは大きな差が出るなと当時も感じました。広陵高の寮生活で自立した生活を身につけたことで、大学に入ってからもあまり苦労はしなかったですね。大学から寮生活をする選手もたくさんいましたから。身の回りのことは自分でするのが習慣になっていたので、慣れるのも早かったのかな、と。3年間ですごく自立できましたし、自分で考えて取り組んでいく力がすごくついたのかなと思います。
──中井監督の教えの根本は「人間教育」。子どものころから野球に励んできた宗山選手の核となっている考えとは?
宗山 向上心と言いますか、常に上を見て物事に取り組むこと。しっかりと考えて練習し、すべてを自分のプラスにつなげていけるようにという考え方は小さいころから高校、大学でも培っていったものかなと思いますね。生活のすべてが野球につながっていくように自然となっていったと思います。また、常に向上心を持ってさまざまなことに興味を持ち、いろいろなことに取り組んでいくこと。なんとなくやるのではなく、考えてやるというのは毎日、野球の練習をしていた幼少期からやってきたこと。昔から今もずっと、そこは変わらないところです。
失敗から得る学び
開幕スタメンで始まったプロ野球生活。「20年に一人の遊撃手」の名に恥じぬ活躍を見せているが、7月7日時点で10失策と定評のあった守備で苦戦する場面も見られる。大学とプロの違いを感じながらも、確かな手応えとともに成長を続けている。直面したプロの厳しさとは。 ──開幕から一軍でプレーを続けていますが、その中で得られた手応えと課題を教えてください。
宗山 自分のコンディション次第で結果がすごく変わってくるなと感じているので、まったく手も足も出ないわけではないなと。どれだけ自分がいい状態で試合に入り、結果を出していけるか。自分の状態次第ということは、そこを上げていければさらにいい結果が出るのかなと思うので、手応えを感じています。ただ逆を言えば・・・
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