
中井監督は広陵高、大商大を経て1986年に母校赴任。副部長を経て、90年から母校を指揮し春14回、夏10回の甲子園出場へと導き、歴代7位タイの通算40勝を挙げている
「弱さ」の真意
広陵高校野球部には、卒業生が帰る「家」がある。毎日のように、教え子たちが中井哲之監督の下に足を運ぶ。冬のオフシーズンになればプロ、社会人、大学生などが学校を訪問し、グラウンドはさらに、活気が出る。毎年12月29日の少年野球教室は、恒例行事だ。現役プロのほぼ全員が、顔をそろえる。野球部OB会の結束力は強固。春・夏の甲子園のほか、秋の明治神宮大会出場時は卒業生から宿舎に大量の差し入れが届く。他校と異なるのは、ベンチ登録選手だけではなく、控え選手への心のケアも忘れないことにある。
2025年も部員164人の大所帯。取材日も、監督室にはOBの姿があり、全部員が口にできるお菓子を両手に抱えていた。なぜ、教え子が集まるのか。中井監督は生徒が入学すれば部員全員を、一生付き合う「子ども」として接する。さらにはレギュラーよりも控え部員へのケアが手厚い。応援団や練習のサポートなど裏方に回る3年生の献身的な姿勢に、いつもこらえ切れず、生徒の前で涙を流す。すべてをさらけ出し、素直に感情表現してくるから、部員たちは信頼を寄せ、本気でぶつかってくる。
「一人一役全員主役」
この合言葉が生まれたのは・・・
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