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2025ドラフト特集 スカウト垂涎の有力選手一挙掲載!!【大学生クローズアップ】

東大・渡辺向輝(投手) 努力の結晶「一度決めたことは、やり切らないと後悔する」

 

練習はウソをつかないことを証明した。大学1年冬に腕を下げ、一つひとつ課題をクリア。勉強で培った集中力、探求心が原動力となり、わずか3年弱で「侍ジャパン大学代表候補」にまで上り詰めた。自身で設定した基準をクリアし「プロ志望」を表明。「ミスターサブマリン」としてNPBほかで一時代を築いた渡辺俊介氏(日本製鉄かずさマジック監督)を父に持つ。
取材・文=岡本朋祐 写真=矢野寿明

WBCで2度の世界一を経験し、かつて「世界一低い」と言われた父・俊介氏のリリースに近づいている。スピードではなく、投球術に磨きをかけてきた賜物だ


東大を目指した理由


 野球を続けていく以上、偉大な父の話題が避けられないことは覚悟していた。父・俊介氏は、ロッテにおける実働13年で通算87勝をマーク。海外でもプレーし「ミスターサブマリン」として、2000年代のNPBを代表する下手投げ投手として活躍した。2020年からは社会人野球・日本製鉄かずさマジックの監督を務めている。

 幼少時、渡辺は父の本拠地球場である千葉に何度も足を運んだ。「早稲田大学の小宮山悟監督と一緒に、お風呂にも入ったらしいんですが……。妹とブルペンで、鬼ごっこをした記憶はあります」。小学3年時に野球を始めたが「友達がやっていたので、練習参加して、その流れで入った感じです」と、そこまで本気ではなかったという。

 中学入試を目指したのは意図があった。

「(中高一貫の)中学に入学すれば、高校受験をしなくていいので6年間、自分のやりたいことができる。第一志望は開成中だったんですけど、受験日が同じでリスクを取らず海城中にしました。当時は大学までは考えていなかったですが早大、慶大はおしゃれなので行きたかったです」

 海城中、海城高を通じて白球を追った。エースで迎えた高校3年夏は東東京大会初戦(2回戦)で敗退した。芽生えた「東大志望」は、父の存在が大きかった。

「中学入学後も、身長が伸びませんでした。体の成長とともに、勝手に球速が伸びていくと思っていたんですが……。その無念さを覚えたときに、何かで父を上回らないと悔しいな、と思ったわけです。私立に一般入試で入学したとしても、周囲からは『コネ』と言われたりする。そこで自分の力で入ることをアピールするためにも、国立大学を目指したんです」

 研ぎ澄まされた集中力。現役で東大に合格した。一つの達成感を得たわけではあるが、新たな野心が芽生えたという。

「野球で勝てなかったから、勉強を頑張ったのは事実ですが、後だしジャンケンみたいで……(苦笑)。父の実績、レベルは違うことは理解していますが『野球で勝負して負けたら、認めよう』と、強がりなんですがね……。本当は野球ではなく・・・

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