2年連続最下位の屈辱から昨季は2位へと巻き返し、新庄剛志監督の就任4年目にして9年ぶり8度目のリーグ優勝へ突き進む今季。果たしてその強さの秘密はどこにあるのか。野球解説者の鶴岡慎也氏が解き明かす。 取材・構成=杉浦多夢 写真=BBM
※成績・情報は7月20日現在 【CHECK1 投手陣】球界の「中6日100球」を覆す“完投主義”と長い登板間隔
エースがいてこそ 言うまでもなく、今季のファイターズの好調を支えている大きな要因のひとつが先発陣です。開幕投手を務めた
金村尚真が完封勝利で今に至る流れをつくり、
伊藤大海や
北山亘基というカードの頭を任せることができる投手がしっかりと自分の投球を続けています。その間を
加藤貴之や
山崎福也といったベテランがつなぎ、
達孝太という新星も出てきた。古林睿煬の故障離脱は残念でしたがインパクトのある投球を見せてくれましたし、昨年のドライチである
細野晴希も可能性を示しています。
高いレベルで先発陣のコマがそろっているため、先発ローテーションを7、8人体制で回すことができる。だから先発陣に完投を求めることができる、という好循環が生まれています。12球団トップのチーム19完投というのは狙って簡単にできることではないですが、新庄剛志監督は目に見える形で成功させています。
いつの間にか生まれた「中6日登板、100球が目安」という常識にとらわれず、100球を超えても完投、その先の完封を目指す。その分、先発ローテを7、8人で回すことにより、時には中6日以上の間隔を空ける。こうした判断とマネジメントは素晴らしいものがありますし、オールスター明けの戦いにおいても余力が残っているはずです。
何より、先発投手陣にいい意味での競争意識が生まれていると思います。どの投手も持ち味を発揮しているため、ひとつの失敗で持ち場を失うかもしれないという緊張感。5イニングや6イニングを投げて勝ち投手になればいいわけではない、完投・完封を目指さなければいけないという責任感。そうした競争意識が、チーム力を高めていると感じます。
その中で大きいのがエースである伊藤の存在。先発陣の中で唯一、「中6日」のフル回転で先発ローテを守り続け、リーグトップのイニング数、完投数、勝利数を重ねています。絶対的な軸があるからこそ、先発7、8人体制というローテーションの運用がスムーズになっているのです。
ブルペンの真価は 一方の中継ぎ陣には、ここからの勝負どころで真価を見せてもらう必要があります。先発投手が長いイニングを投げてくれることの裏返しではあるのですが、特に交流戦以降は1点リードや2点リードといったしびれる場面での登板の機会自体が少なくなっていました。しかし、8月、9月の戦いの中では、中継ぎの責任と重要度が増していくことは間違いありません。
ただし、ここでも先発陣が長いイニングを投げてくれることの恩恵を受けられるはずです。1人が1イニングを抑えなければいけないわけではなく、8回からの2イニング6個のアウト、多くても7回からの3イニング9個のアウトをブルペン全体でもぎ取る、という発想で運用することができるはずです。
幸い・・・
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