都市対抗は負ければ終わりのトーナメントである。エースに求められるのは、ゲームメーク能力。さらには、ここ一番での勝負球があるか――。大卒2年目右腕には勝てる要素が詰まっている。 文=カワサキマサシ 写真=川本学 谷脇弘起のこれまでの野球人生はあとわずか、望むものに届かないでいる。高校3年夏は公立校である那賀高のエースとして大会新記録の66三振を奪うも、決勝で智弁和歌山高に敗れた。立命大に入学後は早くからプロ入りを意識。4年時に大学最後の登板でノーヒットノーランを達成したが、ドラフト会議で名前を呼ばれることはなかった。日本生命に進んだ社会人1年目の昨年は、都市対抗でプロ入りに向けてアピールしたいところだったが、チームが初戦で敗れて登板の機会を得られずに大会を去った。
「予選は軸の一人として投げていたのに、大会では補強選手の方にその座を奪われてしまった。社会人は打者のレベルが高く、簡単にボール球に手を出しません。昨年の僕は勝負どころで決め切れず、カウントを悪くして崩れてしまう傾向がありました。だから大事なところで、チームからの信頼が得られなかった」
レベルアップを果たすために取り組んだのは、新たな球種の取得。さらなる武器を手にするため、大阪に戻ってからは連日、ブルペンで集中して投げ込んだ。そうして取得したのは、チェンジアップ。
「握りはフォークボールと同じく挟むのですが、僕はチェンジアップと捉えています。浅い握りで落ち幅を抑えてカウントを取りに行ったり、逆に深く挟んで大きく落とすと三振が取れる。そんな球ですね」
それまでの持ち球は・・・
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