カリブ海に浮かぶドミニカ共和国から来日し、日本の高校野球からプロに挑戦する逸材がいる。一人は元中日のドミンゴ・グスマンを父に持ち、パワフルな打撃が魅力のエミール・セラーノ・プレンサ。もう一人は強打の捕手、ユニオール・エルイン・ヌニエス・ジャケス。二人は希望に胸を膨らませながら、運命の日を待つ。 取材・文=佐々木亨 写真=川口洋邦 
ともにカリブ海に面するドミニカ共和国から日本へ。家族の支えを力に、プロ野球入りを目指す[左からユニオール・エルイン・ヌニエス・ジャケス、エミール・セラーノ・プレンサ]
衝撃的な出会い
日本で野球がやりたい──。純粋な思いで、ただその一心で、カリブ海にあるドミニカ共和国で生まれ育った二人が海を渡って日本にやって来たのは2023年のことだ。
外野手のエミール・セラーノ・プレンサと、捕手のユニオール・エルイン・ヌニエス・ジャケス。
幸福の科学学園高野球部を19年から率いるのは棚橋誠一郎監督だ。栃木県内では有名なベテラン監督にとっても、ドミニカンたちとの出会いは衝撃的だった。特にエミールに備わる規格外のポテンシャルには、大きな希望を感じずにはいられなかった。
「日本に来たばかりのときは『どうなることやら……』と思いましたね。言葉が分からない。日本の環境にもなかなか慣れない。ただ、体が大きく、その身体能力はすごい。森さんも『伸び率はすごいよ』と、当時から言っていました」
棚橋監督が言う「森さん」とは、
西武でプレーして中日などで監督を歴任した
森繁和氏である。幸福の科学学園高の特別コーチを務める森氏が橋渡し役となってドミニカ人留学生が日本の高校にやって来た経緯があるのだが、同氏の目にも、金の卵たちの底知れぬ能力が映っていた。
元プロの血筋
エミールの父は、日本のプロ野球で活躍したドミンゴ・グスマン氏。横浜(現・
DeNA)、中日、
楽天でプレーして、中日に在籍した04年には10勝をマークした右腕だ。その血筋もあり、投げては140キロ台中盤のスピードボールを投げるのだが、エミールの能力がもっとも発揮されるのが打撃である。13歳から野球を始めたエミールは、父から「プロ野球選手になるまで頑張れ」と背中を押され・・・
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