若鷹が日々、努力する姿を発信し続けている。2016年のタマスタ筑後の開業とともに、ファームの取材をスタート。多くの主力が、この地から巣立っていく過程を見守ってきた。今季、初のタイトルホルダーとなった2人の下積み生活を、ファーム取材歴10年目の上杉あずささんに綴ってもらった。 【松本裕樹投手】同期から一目置かれる存在感

普段は冷静沈着な松本裕も、日本一を決めた日本シリーズ第5戦[甲子園]では、こん身のガッツポーズを見せた
2014年夏の甲子園、盛岡大付高のエースとして、右肘痛を抱えながらもチームのために腕を振った右腕は、15年ドラフト1位でホークスに入団。ルーキーイヤーは右肘のリハビリに費やし、実戦デビューは2年目でした。私が本格的にファーム取材を開始したのもそのころからです。寡黙な右腕の人柄と、投球に興味が湧きました。
三軍からのスタートでしたが、5月に独立リーグとの一戦で先発し、完封勝利。6月26日の
オリックス戦(タマスタ筑後)で二軍戦初登板。ベールを脱ぐと、すぐにポテンシャルの高さを見せつけました。20歳ながら当時の私よりも落ち着いていたので、いつも緊張しながら取材しました(笑)。でも、それは同期入団の育成捕手・
堀内汰門さんも感じていたようで、「正直、マツはレベルが高過ぎて、自分が話すと間違っているんじゃないかと思って、遠慮してしまいました」と明かしました。同期にも一目置かれる独特な雰囲気があったのは確かです。
当時の松本裕投手の直球は140キロ台前半。最速150キロの若手投手が“真っすぐゴリ押し”ではなく、変化球を駆使し、淡々と投げていくスタイル。ある記者がそれを“おじさんピッチング”と揶や揄ゆしたことがありました。勝手に私も悔しくなって、「豪腕・
松本裕樹」の台頭を信じ続けました。
3年目の6月3日に・・・
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