ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の初戦を来年3月5日に迎える井端弘和監督率いる侍ジャパン。23年10月の指揮官の就任から2年が経過した今、チームづくりはどのように進んできているのか。これまでの戦いにおける戦術・戦略の方向性を確認しつつ、果たして誰がメンバーに選ばれるのかを展望しながら、「井端ジャパン」の現在地をひも解いていく。 文=杉浦多夢(侍ジャパン担当) 写真=高原由佳、BBM、Getty Images
※情報は11月30日時点 
井端弘和
【投手陣】世界に誇るストロングポイント 「投手・大谷」実現で盤石に
2023年10月に侍ジャパンの指揮官に就任して以降、井端弘和監督は常に26年のWBC、さらに言えば「4年後、5年後を見据えなければならない」と、自らが指揮を執るかは度外視して27年のロサンゼルス五輪予選と28年の五輪本番も視野に入れながら、チームづくりを行ってきた。一方で侍ジャパンにおける「井端弘和の野球」というものは存在しない。「代表は次の大会が同じメンバーであるとは限らない。選手が1人代われば、できる野球も変わってくる」からだ。
つまり、WBCのメンバーが決まり、直前合宿で顔を合わせることで初めて、「できる野球」のイメージが湧いてくる。WBC仕様の「井端ジャパンの野球」が構築されるのは、来年2月の宮崎合宿になるというわけだ。とはいえ、これまでの大会や強化試合におけるメンバー選考や采配、戦術から見えてくるものはある。「井端ジャパンの野球」の礎となるメンバー編成がどうなるのかを予想しながら、井端ジャパンの現在地を探っていこう。
指揮官が就任時から「日本の伝統的なストロングポイント」と胸を張る投手陣の力を前面に押し出す戦いがベースであることに変わりはなく、運用面についても不安はない。
ここまで球数制限がない大会や試合であっても、井端監督は常に「第2先発をつくっておいたほうがいい」という意識で起用を行ってきた。本記事末尾に記載表の予想メンバーのMLB組については来季の所属と立ち位置がある程度、確立されている選手を加えたが、いずれにしてもWBC1次ラウンドでは65球の球数制限がある。当然、先発と第2先発で「4試合×2人」の8人が必要になる中、MLB組の招集可否にもよるが、NPB組に求められるのは第2先発としてロングリリーフができる対応力だろう。
伊藤大海や
宮城大弥、
高橋宏斗といった経験者を予想メンバーに入れているのはそのためで、井端監督は
北山亘基も再三にわたってリリーフで起用してきた。
ブルペンも野手同様に「複数ポジション」へ対応できることが望ましい。短期決戦で先発陣に不測の事態が起きた場合に備えなければならないからだ。今季、ドジャースでリリーフ適性を見せた
佐々木朗希や、来季から先発に再転向する
平良海馬などは指揮官にとっても選択肢を増やす貴重な戦力となるはずだ。
「投手・大谷」が実現するかは不透明な一方で、自身が「今季でリハビリは終わった」と語っており、前回大会と同様にWBCの大会中もMLB開幕に向けて投手としての調整も進めていくことをドジャース球団から要請されることになれば、言い方は難しいが調整を兼ねた本番での登板の可能性も浮上する。
「先発・大谷」は先発陣の底上げにつながり、リリーフ登板が可能となれば投手陣の運用全体が格段にレベルアップする。前回大会の・・・
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