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WBC特集 侍ジャパン連覇の条件

ピッチクロック「世界一」への難題!? 時間に支配される「15秒」「18秒」への対応力(解説=渡辺俊介)

 

侍ジャパンは韓国との強化試合で、もう一つの“相手”と対峙していた。WBCで初採用されるピッチクロックとピッチコムだ。NPBでは経験のないルール、機器の対応に追われた。ピッチクロックは、社会人野球界では2023年に導入。WBCで2度の世界一、今季まで社会人チームを指揮した元プロに対処法を聞いた。
解説=渡辺俊介(元ロッテほか、日本製鉄かずさマジック元監督)
取材・構成=岡本朋祐 写真=高原由佳


ピッチクロックは投球間の時間制限ルールで、すでにMLBでは2023年から導入。投手が打者への投球動作を無走者の場合は15秒、有走者の場合は18秒以内に開始しなければならない


社会人での苦い経験


 韓国との強化試合2戦を通じて、率直な感想として、相当な「慣れ」が必要となると受け止めました。15秒、18秒。時間に追われ、これまでにない余分なことに気を回さないといけない。集中するタイミングなど、万全の準備が求められます。

 今シーズンまで社会人野球(日本製鉄かずさマジック)を6年率いてきましたが、JABA(日本野球連盟)で採用されたのは2023年シーズンからです。WBCと異なり、無走者が3秒短い「12秒」、有走者では2秒長い「20秒」と設定されています。社会人野球の二大大会である夏の都市対抗と秋の日本選手権はトーナメントの一発勝負なので「時間に縛られてプレーするのは嫌だ」という現場の意見も多かったんですが、社会人野球が日本の野球界の先駆けとして「まずは、挑戦していこう!」ということで導入された経緯があります。

 一度、ゲームの流れが傾いてしまうと、間(ま)の使い方が難しく、どんどん試合が進行してしまうので、流れを変えづらいというのはありましたね。理想の試合展開としては、まずは先制点を取って、有利に試合を進めていかないといけないという意識が、余計に強くなりました。

 実はピッチクロックを巡った、苦い経験があるんです。カウント3-2から投手が首を4回ぐらい振っている間に、制限時間をオーバー。無条件でボールとなり、四球での出塁を許してしまいました、その走者が、結果的に決勝点になってしまうということがあったんです。

「大したことない」ぐらいの気持ちだと結構、大事なところで痛い目に遭い、後々、引きずることとかにもなりかねないんです……。しっかりと頭の中を整理しておいたほうがいいんだろうな、とは思っています。

 ピッチクロック違反となったのは経験、実績とも豊富なベテラン投手でした。なぜ、起こったのかと言えば・・・

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