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プロ野球新人物語 NPBを席巻したルーキー

<2025セ新人王インタビュー>ヤクルト・荘司宏太インタビュー 己を貫いて「抑えをやりたいと思っていますので、セーブ王で受賞できたらいい」

 

ヤクルトでは6年ぶりの最優秀新人賞に輝いた救援左腕だ。即戦力の期待に応えたが、成績に満足はしていない。受賞の喜びとともに課題ともしっかり向き合いながら、次なる目標に向かってすでに走り出している。
取材・文=小林篤 写真=桜井ひとし、高原由佳

ヤクルト・荘司宏太


分岐点となったのはシーズン唯一の黒星


 並みいる強打者を相手にしても、どんなピンチの場面でも表情を崩さぬ平常心が持ち味だが、この日ばかりは事情が違った。NPBアワードが開催された2025年11月26日、荘司宏太は最優秀新人賞の記者会見を終えると、「緊張しました。マウンド以上ですね」と振り返った。

「素直にうれしいです。一時は離脱をしましたが、復帰してから『新人王を獲るんだ』という気持ちで、残りの試合に臨んだので、それが実って良かった」

 セガサミーからドラフト3位で入団した25年は45試合に登板し2勝1敗28ホールド、防御率1.05。最優秀新人賞の得票数は次点の伊原陵人(阪神)に4倍近くの大差をつける175票だった。

「球団新人記録も超せたのでスタートは本当に良かったです。しっかり結果で証明して、勝ちパターンのポジションにつけたのも良かったなと思っています」

 1年目、まさにイチからのスタート。序列を上げて地位を築いた。デビューは開幕2戦目、3月29日の巨人戦(東京ドーム)。0対12の大量ビハインドで迎えた6回に登板し、1回を1安打2奪三振の無失点。ベストピッチに挙げた4月9日の阪神戦(甲子園)では3者連続三振で初ホールドをマークした。その後も好投を続け、27日の中日戦(バンテリン)では、球団新人記録を塗り替えるデビューから9試合連続無失点を記録している。

 しかし、コンディション不良で5月8日に登録抹消。1カ月超戦列を離れ、一軍復帰戦は6月14日だった。無失点記録を12試合に伸ばしたものの、登板したのは5点リードの9回。21日のオリックス戦(神宮)で復帰後初のホールドを挙げ、以降は勝ちパターンの一角として地位を確立したが、その裏には先輩・矢崎拓也からの言葉が原動力となっていた。

「『勝ちパターンで離脱したときは絶対にそのポジションは取られるから。そこは絶対逃しちゃいけないぞ』と復帰後の練習の際に言われて、そこで『このポジションは譲らない』という気持ちで臨むことができました。一番のありがたい言葉だったと思います」

 7月は9試合に登板し1勝7ホールドと安定した投球を披露した。終わってみれば28ホールドはチームトップの数字だ。42回2/3を投げ、打者160人に対して奪った三振は53を数える。奪三振率11.18は、30登板以上の選手では・・・

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