2月14日にスタートした宮崎強化合宿から約2週間後、大会連覇に挑む侍戦士たちの姿は名古屋にあった。大谷翔平、鈴木誠也、吉田正尚のメジャー組が合流したが、話題の中心となったのは、やはりこの男だった。中日との強化試合には規定で出場することはできなかったが、フリー打撃など圧巻の存在感を見せてファンの熱視線を浴びた。チームはいよいよ3月6日にWBCの初戦を迎える。 写真=榎本郁也 ※年齢はWBC開幕時 
名古屋からチームに合流した大谷。今大会は打者に専念となるが、チームの中心選手として活躍が期待されている
やはりこの男が姿を現すと、スタジアムの雰囲気が変わる。バットを一閃すれば、空気も一変する。チームのムードも高まる。開幕が間近に迫る第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)においても、史上2度目の大会連覇を狙う侍ジャパンの中核となるのは、大谷翔平をおいてほかにはいない。
チームに合流したのち、ファンへ最初のお披露目となったのが2月26日、バンテ
リンドームにおける中日との強化試合の前日練習。打撃練習は室内のケージのみにとどめたが、翌27日の試合前練習では同じく名古屋から合流した吉田正尚、鈴木誠也とともにフリー打撃に登場し、いきなり28スイングで11本をスタンドにたたき込んだ。さらに28日のフリー打撃では推定160メートルの驚愕弾を含む9本のサク越え。大谷の一挙手一投足に視線が集中する中、一振りごとにどよめきが沸き起こった。

試合以上の注目を集めた大谷のフリー打撃。ファンのみならず代表と中日の選手たちも、ただその光景を楽しんだ
NPB組もその打撃に触発されたように、第1戦では
佐藤輝明が先制3ランを放って
井端弘和監督から「一振りで3点が入るのは大きい」という賛辞の言葉を引き出すと、第2戦でも
牧秀悟と
森下翔太の一発が飛び出した。

大谷[写真右]の合流によってチームの熱はさらに高まり、本番モードへと突入していく。中日との2試合はいずれも勝利
MLB組だけではない。パワーが新たなジャパンの魅力となっていることは間違いないが、さらなるスト
ロングポイントがある。鈴木は会見でこう語った。
「ジャパンの一致団結力というのは、ほかの国にはないと思う。みんなで力を合わせて頑張りたいと思うし、僕自身もチームに貢献していいプレーを見せたい」

大谷[右]と鈴木の同級生コンビ。日本の誇る左右のスラッガーがチームの得点源となる
何気ない言葉だが、団結力が侍ジャパンにとって大きな力になることは確かだ。最大のライバルと目されるスター軍団のアメリカ代表は、この時点でまだチームとしてのスタートさえ切っていなかったのだから。
それでもチームに、大谷に、油断や慢心は微塵もない。
「前回同様、プレッシャーのかかる試合は多いと思う。前回、優勝したからといって、今回も簡単に勝てるというわけではない。どの国の選手たちも素晴らしいし、そこに対して自分たちの野球をやることが大事」
ジャパンでは背番号「16」を背負う男のこの言葉がすべてだろう。そして、こう口にした。
「(侍ジャパンは)日本を代表するような素晴らしい選手たちが集まっている。本当にプロだなと感じる瞬間がたくさんあると思うので、そういうフィールドでの姿を見てもらえればうれしい」
日本中の期待を一身に受けるという大きなプレッシャーの中でも、ファンを楽しませるという究極の目的にブレはない。連覇という理想的な結末が待っていることを信じて、侍ジャパンの戦いを見守っていきたい。

練習中の選手を見守る井端監督[右]と金子ヘッドコーチ。個々の状態を見極め、勝つための采配に徹する
■2026WBC/侍ジャパン出場メンバー 背番号/選手/所属/年齢/投打
<投手>
13
宮城大弥/
オリックス/24/左左
14
伊藤大海/
日本ハム/28/右左
15
大勢/
巨人/26/右右
17
菊池雄星/エンゼルス/34/左左
18
山本由伸/ドジャース/27/右右
19
菅野智之/ロッキーズ/36/右右
22
隅田知一郎/
西武/26/左左
24
金丸夢斗/中日/23/左左
26
種市篤暉/
ロッテ/27/右右
28
高橋宏斗/中日/23/右右
46
藤平尚真/
楽天/27/右右
47
曽谷龍平/オリックス/25/左左
57
北山亘基/日本ハム/26/右右
66
松本裕樹/
ソフトバンク/29/右左
<捕手>
4
若月健矢/オリックス/30/右右
12
坂本誠志郎/
阪神/32/右右
27
中村悠平/
ヤクルト/35/右右
<内野手>
2 牧秀悟/
DeNA/27/右右
3
小園海斗/
広島/25/右左
5
牧原大成/ソフトバンク/33/右左
6
源田壮亮/西武/33/右左
7 佐藤輝明/阪神/26/右左
25
岡本和真/ブルージェイズ/29/右右
55
村上宗隆/ホワイトソックス/26/右左
<外野手>
8
近藤健介/ソフトバンク/32/右左
20
周東佑京/ソフトバンク/30/右左
23 森下翔太/阪神/25/右右
34 吉田正尚/レッドソックス/32/右左
51 鈴木誠也/カブス/31/右右
<DH>
16 大谷翔平/ドジャース/31/右左