ユニフォームの胸には「FUKUSHO」。春17回、夏22回の甲子園出場を誇る福井商高は2013年夏を最後に全国舞台から遠ざかる。本格派右腕が私学優勢の勢力図に風穴を開ける。 取材・文=沢井史 
昨秋は福井3位校として北信越大会に出場した。同1回戦ではセンバツ出場の日本文理高に善戦も1点差で惜敗。西田は2対2の8回裏に決勝点を許している[写真=桜井ひとし]
3位決定戦で主戦の意地
スラリとした体格から鋭い腕の振りを見せ、ストレートの最速は昨秋に144キロをマークした。高校入学時から密かに注目を集めてきた右腕は2年生になって公式戦初マウンドを踏み、徐々に北陸地区でその名を広めていった。かつて春江工高の監督を務め、2013年センバツに出場し、
栗原陵矢(
ソフトバンク)を育成した川村忠義監督は、西田の特長についてこう明かす。
「持っているものは、1年生の時から違うなというのはありました。ただ、今までの福井商にはいないキャラクターですね。天然というか、どこかのんびりしているところがあります」
取材でも、どこかおっとりした受け応えが印象的である。福井県あわら市で生まれ育ち、中学時代は
オリックス・
山崎颯一郎(敦賀気比高)を輩出した加賀ボーイズでプレーした。
福井商高に入学後、本格的に公式戦のマウンドを踏むようになった昨年はケガ続き。夏の福井大会は2試合に登板も腰を痛め、万全の状態ではなく短いイニングにとどまった。ようやく回復した秋の県大会中に、今度は右足首を痛めた。しかし、エースの意地があった。満身創痍のまま臨んだ昨秋の県大会の3位決定戦(対福井工大福井高)では延長10回を投げ抜き、被安打2の完封(1対0)で、北信越大会最後の切符を手にした。日本文理高(新潟)との北信越大会1回戦では粘投。チームは2点ビハインドの7回表に追いつくが、8回裏に決勝点を奪われ、事実上センバツの道が断たれた。
「日本文理戦は真っすぐが走らなかったですし、チェンジアップもコントロールできませんでした。うまくカウントが作れなかったのが悔しかったです」
冬場はエースを「放牧」
明確な課題を手にし、冬の練習に突入。まずはケガをしにくい体をつくり・・・
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