メジャー・リーグで劇的な変化を遂げた大谷翔平の肉体作りの基礎は、日本ハム時代にある。日本ハムでコンディショニング担当を務めた白水氏が、大谷の圧倒的な力について明かす。 取材・文=中野聖己 写真=BBM 
白水直樹【PROGRESS[株]代表取締役/パフォーマンスディレクター】
体の扱い方から着手
世界のトップを行く大谷翔平のパワーの根源は、メジャー・リーガー顔負けのフィジカルにある。メジャーで劇的な体の変化を遂げた大谷の基盤は、日本ハム時代から形成されたものだ。2004〜10、14〜17年にコンディショニング担当を務めた白水直樹氏は日本ハム入団時から二人三脚で取り組み、成長を見つめてきた。休日も一緒に過ごし、早朝、2人でタクシーに乗ってトレーニングに出掛けたこともあったという。
「身長が高くて手足も長いタイプの選手は体を扱うのが難しい。だから最初は重さを上げるよりも体の動きに、手の動きなどのタイミングが合う形を徹底的にトレーニングしていった感じですね。重さを上げるのは2、3年目ぐらいから。それまでは自分の体を扱えるトレーニングからスタートしました」
入団当時から球団の方針は「二刀流での育成」。その点でも、他選手とは異なるメニューが必要だった。
「野球は打つ、投げる、走ると、やることが多いので、二刀流というとすべきことが増えるイメージがあります。でも、時間は限られていますし、それぞれに活きるトレーニングをやったら、うまくいかなかったと思うんです。どのスポーツにも共通する大事な部分がある。走るときのスタートの形や跳ぶ瞬間の足の形など、物に力を伝えるには動きの原理が必要です。例えばウサイン・ボルト、マイケル・ジョーダン、タイガー・ウッズらと大谷翔平には共通点があって、そこをトレーニングできたら、打つ、投げる両方のパフォーマンスが上がる。ウエート・トレーニングも運動の原理の話を本人とすり合わせながらやっていきました。すごくシンプルなことを突き詰めて質を高くするプランを立てましたね。限られた時間で将来的に生きてくることは何かを考えて、地道な原理の部分を徹底的にやりました」
何よりも、二刀流に本気で取り組む大谷のトレーニングへの目的意識は他選手とは違っていたという。
「先発ピッチャーは・・・
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