ルーキーにして開幕投手という最初の大きな“称号”を手にした。早々と先発ローテーションに欠かせぬ存在となった若きサウスポーは、「左腕エース」という次なる称号を求めて、成長の歩みを続けていく。 取材・文=杉浦多夢 写真=桜井ひとし、川口洋邦、兼村竜介 ※成績・情報は5月31日時点 明確な課題
驚きの抜てきだったことは間違いない。球団の新人としては1962年の
城之内邦雄以来、64年ぶりとなる開幕投手への指名。竹丸和幸は東京ドームで昨季のリーグ王者・
阪神を手玉にとり、6回を3安打、1失点で球団初となる新人の開幕戦勝利投手となった。
開幕投手を告げられたときも
「頑張ろう、くらいの気持ちだった。意外に冷静に受け止めていました」と振り返るように、試合中のマウンドでも
「ファンの方がたくさんいて満員なので、すごいなと思いますけど、あまり気持ちは変わりません」。常にポーカーフェースを崩さず、冷静沈着なマウンドさばきを見せる左腕が、開幕戦のお立ち台では
「めっちゃ、うれしいです」と笑顔を見せた。
その後も進撃は続き、お立ち台に上がったのは早くも5度。だが、自身の中に満足感は微塵(みじん)もないようだ。
「最初は戸惑いもありましたけど、お立ち台に上がるのも初めのときよりは少し慣れてきました。緊張はしないんですけど、たまたま勝ちが付いたという試合でも立たせてもらったりしたので、『自分でいいのかな』と思うことはありましたね。勝ち星は付いていますけど、まだまだかなという感じです。ずっとギリギリをくぐり抜けてきている感じなので、大きな手応えというのはないですね」 確かに勝ち星は打線との兼ね合い、運に左右される部分が大きい。それでもすでにチームトップの5勝を挙げている。入団直後に謙虚に口にしていた目標の数字を早くもクリアした。
「本当に運が絡んできますし、自分一人でどうにかなるものではないんですけど、それでもやっぱり勝たないと、勝ち続けないと優勝はできない。そういう意味で大事なものなのかなと思います」と白星の意味をかみ締める。
投球の内容面で納得感が得られないのはなぜなのか。一つは組み立てにおける球種の割合、もう一つは対右打者へのアプローチという課題だ。
持ち球はストレートにチェンジアップとスライダーが投球の軸で、カーブとカットボールも備えており、
「どの球種も5分の1。すべての球種を使って組み立てていくイメージ」を理想としているが、実際はストレートが・・・
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