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2026ドラフト特集 DRAFT INSIDE REPORT 社会人野球編

セガサミー・樫村佳歩×立花祥希 「廃部」と向き合う現実

 

社会人野球のセガサミーは5月14日、野球部の活動を2026年シーズン限りで終了し、廃部することを発表した。大卒入社選手は2年目がドラフト解禁だが、休・廃部の場合は特例で1年目から「指名対象」となる。東京ドーム切符をかけた都市対抗予選は東京都二次予選で敗退。厳しい状況に直面しながらも、新人2人は前を見る。
取材・文・写真=佐々木亨

都市対抗二次予選の初戦、あとがない第4代表決定トーナメント2回戦で先発し、信頼度を示す起用だった


ピッチングの真骨頂


 セガサミーの野球部公式サイトの紹介文によれば、座右の銘は「人生生涯小僧の心」。マウンドに立つ樫村佳歩からは、その思いがプンプンと漂う。166cmは、投手として小柄だ。野球選手としても決して恵まれた体躯(たいく)とは言えないが、秘めたエンジンの大きさは、社会人球界でも引けを取らない。茨城・水城高から進んだ立正大では4年秋の東都大学二部リーグ戦で5勝をマーク。駒大との一部二部入れ替え戦では、抜群のマウンド度胸で緊迫の大一番でも好投して、チームを一部昇格に導いた。その強靭(きょうじん)なメンタルも兼ね備えた樫村は、常に「小僧の心」で強者たちと対峙(たいじ)する。事実、彼は言うのだ。

「楽しんで投げるのが、自分の持ち味です」

 今シーズンからプレーするセガサミーでは、確かな結果で立ち位置を確立してきた。6月に行われた都市対抗東京都二次予選では、大事な初戦の先発マウンドに立った。

 1回裏のマウンド。先頭打者に対して、ストレートは150キロを計時した。その後も140キロ台後半に迫るストレートを主体に強気のピッチングを見せるのだが、NTT東日本の四番に座る向山基生(法大)に手痛い3ランを食らって先制点を許す。4回裏には一死から八番打者に148キロのストレートを左翼スタンドへ運ばれるソロアーチを浴びた樫村は、5回を投げて被安打6、4失点で降板した。

 それでも、チームからの信頼は揺るがない。負ければ予選敗退が決する第4代表決定トーナメント2回戦(6月23日)、鷺宮製作所との大一番でも、1年目の樫村は先発マウンドに上がった。

 1回表。一死から鷺宮製作所の中島優仁(日体大)に右前打、続く野村工(拓大)に右翼線二塁打を浴びて、得点圏に走者を置く。四番に座る10年目の保戸田則裕(青森大)の遊ゴロの間に1点を先制されたのは、その直後だ。それでも、2回以降は相手打線に的を絞らせずに無失点のイニングを続けた。

「追加点を与えないようにと思って投げました。2回以降はボールを散らす感じで投げた。変化球がしっかりと決まったことで、真っすぐが生きた。自分のピッチングができたと思います」

 カーブにスライダー、さらにフォークボールやチェンジアップを織り交ぜながら、2回表からの6イニングで7三振を奪ったピッチングこそが、樫村の真骨頂と言える。

配球をさらに勉強


 2005年に創部。07年の都市対抗本大会初出場を皮切りに、これまで14回の本大会出場を果たして3度のベスト4に輝いたセガサミー野球部が、今シーズン限りでの廃部を発表したのは今年5月14日のことだ。チームにとっては最後の都市対抗。東京ドームの本大会出場に向けて、何としてでも勝たなければいけない一戦で、樫村は「一球一球、気持ちを込めて投げた」と振り返る。

 だが、8回表。1本目はストレートを、2本目はフォークボールを、それぞれスタンドに運ばれた。2者連続弾を浴びたところで無念の降板となった。試合は1対9で敗退し、セガサミーの最後の挑戦は終わった。

「悔しさしかありません……」

 そう言って唇をかみしめたルーキー右腕が言葉をつなげる。

「セガサミーの野球部としての時間は残り少ないと思いますが・・・

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