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2026埼玉西武ライオンズ特集 獅子が挑む王座奪還

西武OB・辻発彦が語るライオンズ進化の理由 昨季5位から優勝争いへ導いた“戦力”の厚み

 

昨季は5位に終わったライオンズが、今季は優勝争いを繰り広げている。何がチームを変えたのか。そして頂点へたどり着くために必要なものとは何か。2018、19年に監督としてリーグ連覇へ導いた辻発彦氏が、前半戦を振り返りながら、チームの成長と後半戦のポイントを自身の視点で語る。
取材・構成=小林光男 写真=兼村竜介、BBM
※成績は7月19日現在

※辻氏の直筆メッセージ


昨年との違いは「戦力」


 5位に終わった昨年と優勝争いをしている今年のライオンズで一番違うのは何かと聞かれたら、私は迷わず「戦力です」と答えます。戦い方が変わったというより、戦えるだけの戦力がそろったことで、自然と戦い方も変わってきたということです。

 昨年は投手陣がよく頑張っていましたが、それでも得点力が足りず、どうしても我慢の試合が多かったと思います。それに対して今年は野手の層が厚くなり、春季キャンプから競争意識がより高まったことが何より大きいです。

 交流戦で一気に勢いに乗って、初優勝を果たしたのも、その象徴だったと思います。長谷川信哉選手や平沢大河選手が期待以上の働きを見せ、昨年までにはなかった力がチームに加わりました。また、FAで桑原将志選手、石井一成選手が加わったことも大きいですし、さらに新外国人のカナリオ選手も外野で存在感を見せています。ドラフト1位の小島大河選手もチームにいい刺激を与えています。

 競争というものは、チームを強くするためには絶対に必要です。今のライオンズは非常に雰囲気がいいように見えます。ただ、仲がいいだけでは強いチームにはなりません。選手同士が「負けたくない」「ポジションを譲りたくない」という気持ちを持っているからこそ、全体のレベルが上がっていくものです。その競争がいい方向へ働いているように感じます。

 打線が本当に変わったと思えたのは、ケガで開幕一軍から外れていたネビン選手が戻ってきた5月からでしょう。四番がどっしり座ることで打線全体が非常に落ち着きましたし、その前後の打者も自分の役割を理解しやすくなりました。これがチーム全体の自信にもつながっているのでしょう。

 その中でも、私が前半戦の野手MVPを挙げるなら滝澤夏央選手です。打撃、守備、走塁。そのすべてが高いレベルで安定しています。派手さだけではなく、見えない部分まで含めて今シーズン開幕から今日までチームへの貢献度が非常に高い選手だと思います。

 その滝澤選手の打撃は、シーズン当初よりタイミングの取り方が格段に良くなりました。もともとミート力は高い打者でしたが、今は余裕を持って打席に立てています。簡単に追い込まれず、追い込まれてからもファウルで粘り、最後は四球を選べるようになりました。それは技術だけではなく、自信の表れでもあるのでしょう。

 私はよく「成功体験が選手を育てる」と話します。結果が出れば・・・

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