異例のシーズン途中の就任となった6月19日以降、7月31日終了まで13勝14敗。新指揮官とともに再出発した楽天はどんなチームへと変貌を遂げるのだろうか。現役時代はメジャー・リーグでも活躍し、引退後は現場だけではなく筑波大大学院でコーチング理論を学んだ。幅広い知識と経験を持つ吉井理人新監督が見据えるチームの未来とは。その改革への考えを語ってもらった。 取材・構成=阿部ちはる 写真=菅原淳、戸加里真司 
楽天・吉井理人監督
改革への見定め期間
6月17日に楽天は新監督の就任会見を行った。プロ野球界でシーズン途中に外部招聘(しょうへい)での監督就任は異例だが、球団改革へ1日も早く着手したいという三木谷浩史オーナーの強い決意でもある。そして就任から約1カ月。吉井理人新監督は今、チームの課題をどこに感じ、どのような改革を見据えているのか。 ──シーズン途中から指揮を執る難しさもあると思いますが、選手やコーチと積極的にコミュニケーションを取る姿が印象的です。どのような話をしながらチーム状況の把握、そして立て直しを進めているのでしょうか。
吉井 まず変な先入観を持ちたくなかったので、三木谷オーナーに『頼む』と言われてから1週間ほど時間があったのですが、その間は細かいことは調べず試合だけを見て、真っさらな状態でチームに来ました。入ってからは、選手の特徴を知るためにも話をしています。
──選手とはプレーに関して話すことが多いのでしょうか。
吉井 一軍で自分のスタイルを確立している選手はプレーに関しては多くを聞かなくてもいいかなと思っています。それよりも、まだどっちに向かっていくんだろうと思いながらプレーしている選手たちの方向をちゃんと決めなければいけませんから、彼らがどういうタイプかという部分はしっかり見ています。
──監督が代われば作戦面はもちろん、チームの方向性も変わっていくと思います。現在はどのように改革を進めていきたいと考えているのでしょうか。
吉井 監督が代わると何もかもが変わるというのは、チームにとってあまり良くない。いや、まったく良くないことなんです。チームビルドだけではなく、育成面もそう。育成の方針やその選手にどういうプレーをしてほしいかという、広く言うところのチーム方針がコロコロ変わってしまうと、選手とスタッフが右往左往して、結局は疲弊してダメなチームになってしまうんですね。過去を見ていてもそういうチームが多い。もちろんチームが浮上するには何か変えなくてはいけないのですが、でもイーグルスの根っこにあるカラーや文化は変えたくないと考えています。ただ、もしそこにチームの弱い原因があるのだとしたら変えなくてはいけません。その場合にはみんなを説得しながらしっかり進めていかないとバラバラになってしまいますからね。そこはデリケートな部分でもあるので、ゆっくり慎重に進めたいなと思っています。
──今はまだ見定めている状況だと。
吉井 そうですね。もちろんすぐに・・・
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