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夏に輝いた伝説の高校球児 甲子園アイドルの記憶

【あの夏の主役】金足農・吉田輝星 平成最後のヒーロー 秋田の好投手から全国へ「ボールを使えるようになってからも走り込みの量を増やしました」

 

ひと夏の出来事が、すべてを変えるだけの力が、ここにはある。一大会を終えたとき、一人の高校生は全国区のヒーローへと駆け上がった。平成最後の夏に巻き起こった金農旋風と、エースの戦いを振り返る。
文=高橋昌江 写真=BBM

投球前のルーティンの「侍ポーズ」も、大きな注目を集めることに


快進撃に吹き荒れた旋風


 甲子園は、人生を動かす。

 最速150キロを誇ったとはいえ、「秋田の好投手」に過ぎなかった吉田輝星は3年夏の甲子園出場でスターダムを駆け上がった。選手権大会が第100回の節目を迎えた2018年のことだ。

 前評判は高くなかった。「カナノウ」の愛称で親しまれている金足農が秋田大会を制したのは11年ぶり。県としても1998年から夏の甲子園初戦は13連敗。2011年に能代商(現能代松陽)が2勝し、12年に初戦を突破した秋田商が15年に8強入りしたが、直前の16、17年はやはり初戦で姿を消しており、「弱小県」のレッテルは拭い切れていなかった。

 それが……1回戦で鹿児島実、2回戦で大垣日大(岐阜)を下すと、3回戦では逆転3ランで横浜(南神奈川)を撃破。準々決勝で近江(滋賀)に2ランスクイズでサヨナラ勝ちし、準決勝で日大三(西東京)に2対1と競り勝った。県勢103年ぶりの決勝進出。1915年の第1回大会で秋田中(現秋田)が挑んで以来となる頂上決戦に駒を進めた。

 そのファイナルでは大阪桐蔭(北大阪)に2対13で敗れた。だが、その大敗が霞むほど、平成最後の甲子園では「金農旋風」が吹き荒れた。

 私学が優勢な現代の高校野球において、秋田の県立農業高校が見せた快進撃。部員は学校がある秋田市やその周辺地域で育った「地元の子」たち。郷土愛の強い高校野球で・・・

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