いつまでも変わらない本質的なものを大切にしながらも、時代に応じた新しい変化も取り入れる。それが、不易流行である。ユニフォームを着用する責任と誇り。そこには100年以上、つながれてきた精神がある。 取材・文=岡本朋祐 写真=BBM 
ベンチ入りメンバーは刺繍のユニフォームを着用している[写真は2026年夏、荏田との神奈川大会2回戦で2ランを放った今井]
プライドを胸に
全国屈指の激戦区・神奈川大会には今夏、172チームが出場。古豪・横浜商は初戦の2回戦を突破すると、3回戦では第3シード・横浜隼人に延長11回タイブレークでサヨナラ勝ち(3対2)。4回戦も勝ち上がったが、5回戦では第2シード・立花学園に7回
コールド敗退(6対13)を喫した。だが2026年夏、Y校は「16強」という足跡を残した。
昨夏は1回戦敗退。7月10日に涙を流してからちょうど丸1年、7月10日に初戦突破を遂げた。新チームの昨秋、今春と県大会3回戦敗退だっただけに、『逆襲』をテーマに掲げてきた今夏は、底力を見せつけた。荏田との2回戦で初戦突破した後、24年秋から指揮する廣濱優監督の安堵した表情が印象的だった。自身として、Y校で夏初勝利へ導いた。
「この1勝をするまで1年間、長かったなというのはあります。学校ではいつも校歌を歌ってきましたが、この夏の大会で歌える経験というのは、当たり前ではないということを話しながら活動してきましたので、今日の1勝は大きかったと思います」
高校通算2本目、公式戦初アーチ(右越え2ラン)を放ち、勝利に貢献した三番・今井裕也(3年)は横浜商の伝統の応援歌『青い稲妻』を背に打席に立っていた。「昨年は1回戦で負けてしまって歌えなかったんですけど、校歌を歌う喜びを身に染みて感じました。監督さんからは、部員全員が同じベクトルを向けるようにと日ごろから言われ、実践できた」
廣濱監督は横浜商大高、東京情報大を経て、16年に横浜商に赴任し、18年秋から野球部の副部長、部長を歴任してきた。伝統のマリンブルーのユニフォームの左胸には「Y」が刺繍(ししゅう)されている。古豪・Y校を指揮するのは、重い責任があるという。
「重圧はかなりありますけど、その分・・・
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