深紅の大旗は14年ぶりに上州へ。
第95回全国高校野球選手権記念大会の決勝戦が8月22日、晴天の甲子園球場で行われ、夏初出場の前橋育英(群馬)が初優勝を飾った。 初陣での全国制覇は1991年の大阪桐蔭以来。
なお、九州勢で唯一、優勝経験がなかった宮崎県代表の延岡学園は、善戦もあと一歩及ばなかった。 取材・文=岡本朋祐
写真=石井愛子、菅原淳
相手のバントを封じる完成度高いディフェンス 95回の記念大会で60校目の栄冠に輝いた前橋育英は、新境地を生み出した。歴代王者が見せてきた「猛打」、足を駆使した「機動力」、徹底した「バント攻撃」でもない。チーム打率.274。1回戦から決勝まで、6試合中4試合が1点差の接戦を制してきた背景には「堅守」があった。前橋育英・荒井直樹監督は「練習では試合で起こり得ることを、体が勝手に反応するくらいすべてやってきた。『守りも攻撃だ』という話もするんですが、相手に点を与えないのは、点を取ったのと同じ」と胸を張る。指揮官が「体に染みついている」と話すディフェンスは、1試合3併殺を目標とし、夏初出場( 11年センバツに1度出場も初戦敗退)の甲子園の大観衆でも動じなかった。
全国レベルの守備力を確信したのが樟南との2回戦。相手は鹿児島大会で6試合33犠打と、バントに絶対的な自信を持っていたが、前橋育英の内野陣は“お家芸”を粉砕した。三塁前に転がったバントを猛チャージで2度刺した主将・荒井海斗(荒井監督の次男)は、「自分の前に来た打球は・・・
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