Photos by Photos by Shinsuke Ida Last Moment もう見られるはずのなかった最終打席が、粋な計らいにより実現した。昨季限りで27年の現役生活にピリオドを打った
山崎武司が、引退試合に出場するため、
中日と日本球界初の「1日契約」。鉄紺色の新ユニフォーム、入団当初の「背番号22」を背負い、ナゴヤドームに戻ってきた。
3月21日、相手は7年間プレーした第2の古巣、
楽天だった。所属時に震災を経験した忘れがたき球団だ。山崎は「四番・指名打者」で先発出場、出番は1打席限りの予定だった。ただ、そのラストの瞬間は意外な形で訪れる。1回裏、大島、ルナの連打により一死一、二塁のチャンス。相手は昨季のパ・リーグ新人王の則本だ。初球を見逃し、2球目をフルスイングしたがバットは空を切る。そして3球目、外角の140キロをバットでとらえたものの、これが二ゴロ併殺に。全力疾走で一塁を駆け抜けると、苦笑いが漏れた。
試合後のセレモニーで楽天の選手会長・嶋から花束を受け取ると、思わず目尻を下げた。「ドラゴンズとイーグルスが日本シリーズで戦い、そこで僕が解説をすること」。新たな目標を口にした男の第二の人生が、思い出の地でスタートした。

▲やまさき・たけし●1968年11月7日生まれ。愛知県出身。182��100�圈0�工大名電高−中日87年2位。内野手。背番号22。