Photos by Shinichiro Tanaka チームのために 嶋基宏にとって節目の20代最後のシーズン。チームも絶対的な存在だった
田中将大が抜けた中での船出とあって、開幕前には「僕にとってもイーグルスにとっても、本当の真価が問われる1年になる」と並々ならぬ決意を口にしていた。
だが相次ぐケガ人と、期待されていた新戦力の不振でチームはBクラスに低迷。さらに追い討ちをかけるように、5月26日には
星野仙一監督が「腰椎椎間板ヘルニア」と「胸椎黄色じん帯骨化症」の難病を併発し、まさかの休養。昨年の日本一チームに最大の試練が訪れている。
そんな苦境の中でもこの男は「監督が戻ってくるまで、いまこそ一つになってやっていかなくちゃいけない」と前を向く。扇の要としてリードでは若い投手陣を鼓舞し、打っても3割を大きく超えるハイアベレージをマーク。攻守にわたって円熟味を増すリーダーが抜群の存在感でチームの屋台骨を支えている。
順調にいけば今シーズン中にFA権を取得するが、昨年オフに球団史上最長となる4年契約を結んだ。その背景には「
楽天をもっと、もっと強くしたい」という思いがある。チームを愛し、どんなときもチームの勝利だけを願って。
嶋はこれからも楽天の象徴として、For The Teamでグラウンドに立ち続ける。

▲しま・もとひろ●1984年12月13日生まれ。岐阜県出身。179cm82kg。中京大中京高-国学院大-楽天07年大学生・社会人ドラフト3巡目。捕手。背番号37