11月12日から開幕する「2014SUZUKI 日米野球」の侍ジャパン全28選手(1次選考選手を含む)が10月9日、小久保裕紀侍ジャパン監督から発表された。20歳から33歳まで平均年齢25.7歳の若いメンバーが招集された。17年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に向け、メジャー・リーガーたちの野球を肌で感じ、経験を積ませる選出となった。そのほか会見では、来日するメジャー10選手も合わせて発表された。 写真=高原由佳、BBM 17年の覇権奪回に向け、若手起用で経験値を上げさせる
今回招集された選手たちの平均年齢は25.7歳。WBCが開催される約3年後の2017年は脂が乗り切った、もしくは選手としてピークを迎えるであろう選手たちばかりだ。
「私の初めての日米野球は自分の野球人生でも大きなプラスになった。初めてトップチームに入る選手たちには、(メジャー相手に)どこまで通用するのか肌で感じてほしい」
昨年の台湾との親善試合は、言い方は悪いかもしれないが、格下との対戦。今回はメジャー・リーガーたち。もちろん格上との対戦となる。3年後は彼らと対等な立場で、しかも覇権奪回を目指していかなければならない。その意味でも、若い選手たちにメジャーのプレーを感じる機会を与え、3年後の力に変えてほしいという考えだ。

▲今回は投手専門として招集された大谷。先発は第5戦の予定。162キロの速球でメジャーの打者に真っ向勝負を挑む
最年少では20歳の
藤浪晋太郎(
阪神)、
大谷翔平(
日本ハム)両投手を、野手では22歳の
山田哲人(
ヤクルト)を選んだ。特に山田に関しては注目選手として小久保監督は期待している。この大会で、四番に据えることを明言している
中田翔(日本ハム)の27本塁打を上回る29本を放っている山田。日本人の右打者で最多193安打を放ち、覚醒した1年で、日の丸の経験を積ませることでさらなる飛躍を期待している。
「代表としてのプレッシャーを感じながらプレーしたい。何とか自分らしい粘りのバッティングをして、1本でも多くのヒットを打ち試合に勝てるように頑張ります」と山田もその期待に応えていく。

▲注目選手として期待がかかる山田。二塁は菊池がいるが、打撃を生かすためにほかのポジションで出場させるプランもある
小久保監督が挙げるもう一人の注目選手は、
柳田悠岐(
ソフトバンク)。日本人離れしたパワーがメジャー投手に通用するのか。そして3年後には日本を背負える、左の大砲になることを、願っている。野手との二刀流でシーズンを沸かせた大谷に関して、今回は投手としての起用となることを明言した小久保監督。第5戦、11月18日の札幌ドームで先発させることが濃厚だ。そのほか、投手陣の多くが23歳から29歳。捕手も全員20代。野手陣も20代前半の選手が選ばれており、文字どおり「経験を積ませる」という意図が十分にうかがえる選出だ。

▲もう一人の注目選手の柳田。並外れたパワーをメジャー投手にも日本に柳田ありを見せつけたいところだ
その中で、32歳の
内川聖一(ソフトバンク)が選ばれた。このチームのまとめ役は捕手の
嶋基宏(
楽天)だが、内川は第2回WBCで2連覇の立役者であり、第3回大会でも中心選手として活躍した。「WBCは出た者しか分からないモノがあると思います。選手同士でそういう話し合いをしてほしい」と経験を伝える伝道師の役割としても期待している。
投手陣については先発投手を多めに招集。情報を各チームからしっかりもらい、状況を見極めた上で、先発ローテーションを組んでいく。勝ちにこだわることは当然ながら、あくまでも2017年のWBCを見据えた戦い。ここで多くの経験を積むことで、侍ジャパンの結束力が高まっていく戦いになる。
2014 SUZUKI 日米野球 侍ジャパン選手一覧
※左右は投打 【投手】
11
岸孝之[
西武] 29歳 右右 2.51 13勝4敗0S
12
松葉貴大[
オリックス] 24歳 左左 2.77 8勝1敗0S
14
則本昂大[楽天] 23歳 右左 3.02 14勝10敗0S
15
井納翔一[
DeNA] 28歳 右右 4.01 11勝9敗0S
16 大谷翔平[日本ハム] 20歳 右左 2.61 11勝4敗0S
17 藤浪晋太郎[阪神] 20歳 右右 3.53 11勝8敗0S
18
前田健太[
広島] 26歳 右右 2.60 11勝9敗0S
19
金子千尋[オリックス] 30歳 右左 1.98 16勝5敗0S
21
西勇輝[オリックス] 23歳 右右 3.29 12勝10敗0S
26
西野勇士[
ロッテ] 23歳 右右 1.86 1勝1敗31S
29
小川泰弘[ヤクルト] 24歳 右右 3.66 9勝6敗0S
35
牧田和久[西武] 29歳 右右 3.74 8勝9敗0S
43
高橋朋己[西武] 25歳 左左 2.01 2勝1敗29S
【捕手】
10
小林誠司[
巨人] 25歳 右右 .255 2本14打点0盗塁
22
伊藤光[オリックス] 25歳 右右 .257 3本48打点0盗塁
37 嶋基宏[楽天] 29歳 右右 .263 1本36打点6盗塁
【内野手】
2
今宮健太[ソフトバンク] 23歳 右右 .240 3本42打点10盗塁
3
松田宣浩[ソフトバンク] 31歳 右右 .301 18本56打点12盗塁
4
菊池涼介[広島] 24歳 右右 .325 11本58打点23盗塁
6
坂本勇人[巨人] 25歳 右右 .279 16本61打点23盗塁
13 中田翔[日本ハム] 25歳 右右 .269 27本100打点0盗塁
23 山田哲人[ヤクルト] 22歳 右右 .324 29本89打点15盗塁
33
銀次[楽天] 26歳 右左 .327 4本70打点10盗塁
【外野手】
1 内川聖一[ソフトバンク] 32歳 右右 .307 18本74打点0盗塁
7
糸井嘉男[オリックス] 33歳 右左 .331 19本81打点31盗塁
9
丸佳浩[広島] 25歳 右左 .310 19本67打点26盗塁
44 柳田悠岐[ソフトバンク] 26歳 右左 .317 15本70打点33盗塁
60
中村晃[ソフトバンク] 24歳 左左 .308 4本61打点10盗塁
メジャー・リーガー出場予定選手
☆は10月9日に発表された追加招集組。 【投手】
ジェレミー・ガスリー[ロイヤルズ]☆
クリス・カプアーノ[ヤンキース]☆
ランディ・チョート[カージナルス]☆
和田毅カブス☆
【捕手】
サルバドール・ペレス[ロイヤルズ]
【内野手】
アルバート・プホルズ[エンゼルス]
ジャスティン・モーノー[ロッキーズ]
ロビンソン・カノ[マリナーズ]
ホセ・アルテューベ[アストロズ]
アルシデス・エスコバル[ロイヤルズ]☆
エリク・アイバー[エンゼルス]☆
エバン・ロンゴリア[レイズ]☆
ベン・ゾブリスト[レイズ]☆
カルロス・
サンタナ[インディアンズ]
【外野手】
アダム・ジョーンズ[オリオールズ]
ヤシエル・プイグ[ドジャース]
ブライス・ハーパー[ナショナルズ]