年が明け、2週間あまりが経過したが選手たちも新しいシーズンへ向け本格的に始動。どの選手にもテーマがあり、戦う理由を持っているが、ここでは今季、目が離せない3選手をピックアップ。それぞれの立ち位置で意気込む彼らの心意気―― 大谷翔平 唯一無二の存在へ 西岡剛 たくましくなった優勝請負人 勝てる投手のために取り組むべき課題

▲自主トレ初日、早くもブルペンに入った。これも1年間、戦い抜く覚悟の表れだ
1月11日、横須賀・ベイスターズ球場で自主トレを公開した
井納翔一は、あるフレーズに反応した。「エースと言われればうれしい気持ちはありますけど、それを求め過ぎると、自分のすべきことを見失う。そういう意味では正直エースと言われたくない」。十分な有資格者であるにもかかわらず、自らを「役不足」と認められる冷静さ。どこまでも謙虚な姿勢に、プロ3年目への決意があった。
「野手の方に打っていただいたおかげ」
チームトップの
久保康友(12勝)に次ぐ11勝を挙げた昨季を振り返ると、必ず打線への感謝を口にしてきた。5月にはプロ初完封勝利、
DeNAとして初の月間MVPを受賞。セ最速10勝にも到達。誰もが認める成績を残しても「これで満足してはいけない」と表情は厳しくなった。
200イニング、12勝、防御率3.50以下。今季の目標に掲げた具体的な数字だ。そのためのモデルがマリナーズ・
岩隈久志。
昨年11月には侍ジャパンの一員として日米野球に参加。
楽天時代から注目する先輩右腕とも絡み、緊張からか「サインください」としか言えなかったが、そのオーラを感じた。「技術的なことはマネできないけど、僕が唯一参考にできるのはフォームのバランス」。力感がなく、それでいて下半身主導の芸術的投球フォームを追い求めていく。
さらに、習得に取り組んでいるのがチェンジアップ。キレのある直球、スライダー、フォーク、カーブ、昨季はツーシームもミックスした。しかし、侍ジャパンでの経験から「日本も米国も、いい投手は投げていた。チェンジアップを投げられれば、奥行きで勝負もできる」。
オリックス・
金子千尋らにも握りを教わり、同時に「開幕までにモノにできるのが一番ですけど、余裕を持ってやりたい。シーズンの途中からでも……」と足元も見失わなかった。
昨年12月には、へんとうの切除手術も受け、不安を取り除くことで「しっかりと試合にも臨める」と前を向けた。自主トレ公開日はランニング、ノック、下半身強化、今年初のブルペンで20球を試し投げした。
「トータルで3年、4年とやって初めてエースと呼ばれるもの。でも、それがゴールじゃない。チームのために1年間、しっかり戦わなきゃいけない」
ベイスターズでは長年、
三浦大輔が背負ってきた大看板の重み。背番号15は着実に、そして力強く、後継者としてのステップを踏んでいる。
写真=大賀章好