各チームともにスモールボールが浸透し始め、1点が重みを増し続ける国際大会。その中で誰よりも貪欲なプレーを身上とする男・角中勝也が、覇権奪回のカギを握るかもしれない。 文=吉見淳司 写真=高塩隆 四国アイランドリーグ/高知出身の若武者が自身の名を一躍、球界に轟かせたのは2012年のことだった。
プロ6年目にしてレギュラーをつかむと、持ち前の打撃技術をいかんなく発揮。
中島裕之(当時
西武、現
オリックス)との激しいデッドヒートを制し、打率.312で独立リーグ出身者初の首位打者となり、ベストナインにも輝いた。
快進撃の締めくくりは11月。当時の
山本浩二代表監督の就任初采配だった、キューバとの強化試合への出場選手として、初めて侍ジャパンに選出された。
同16日の初戦(ヤフードーム)では七番・左翼として先発出場。見せ場は1対0の7回に訪れた。先頭打者として打席に立つと、右中間へ打球を飛ばす。当たりはシングルヒット性だったものの、右翼・ベルの緩慢な打球処理を見るや否やすかさず一塁ベースを蹴り、抜け目なく二塁を陥れた。この好走塁が追加点へとつながり、山本監督に2対0の初勝利をもたらしたのだ。

12年オフのキューバ戦では代表初戦で果敢な走塁を披露した[写真/毛受亮介]
少ないチャンスでしっかりと結果を残し、翌年の第3回WBC日本代表にも名を連ねた。大きな見せ場こそなかったものの、錚々たるメンバーの中で5試合に出場。
ロッテ勢唯一の代表選手として意地を見せた。
しかしそれから2年間・・・
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