今夏は夏の高校野球が始まって100年。第1回中等学校優勝野球大会(1915年)に出場した早実が、「第97回全国高校野球選手権大会西東京大会」で5年ぶり29回目の甲子園切符をつかんだ。特別な年に出場の原動力となったのが1年生・清宮幸太郎だ。ラグビートップリーグ・ヤマハ発動機の清宮克幸監督を父に持つ超大物は、8月6日に開幕する全国舞台に胸を躍らせている。 取材・文=岡本朋祐 写真=藤井勝治 コメントにおいても興味を惹かせるオーラ

高校入学以降は、決して弱みを見せない。プレッシャーとも真正面から向き合い、その空間を楽しむ姿からも、スターの資質が詰まっている(写真=大泉謙也)
7月4日の東・西東京大会開会式から、すでに神宮は1年生・清宮幸太郎が主役だった。計267チームの選手たちはスタンド(東は右翼席、西は左翼席)で着替え、球場周辺で待機するのだが、清宮と早実の主将で四番・
加藤雅樹(3年)の2人だけは、三塁ロッカールームが用意された。VIP待遇も、一般客らとの混乱を避けるための措置である。開会式では東西3校がそろって入場行進。センタービジョンに清宮の顔が映し出されると、スタンドからこの日一番のリアクションが沸き起こる。
開会式後の会見では、仰天発言。今春の高校デビュー以来、清宮は打席だけではなく、コメントにおいても興味を惹かせる特別なオーラがある。
「甲子園で王さんが投げるのに、早実がいないことは失礼。自分たちが出て、さらに甲子園を盛り上げたい」 今夏は夏の高校野球100年。8月6日の開会式では、第1回大会出場の早実を含む10校の代表選手が、復刻ユニフォームで入場行進する。
「大学選手権では早稲田が優勝し、和泉(実)監督も『今年はワセダの年だ!』と言う。加藤さんも開会式で歩きますし、そこで早実が甲子園に出場しなければ『どこが出るんだ?』という話になると思う。上級生の皆さんも打ちますし、熱もある。このチームで全国制覇したい」 1年生ながら危機感を口にし、この夏にすべてをかけていたのだ・・・
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