東京六大学時代からライバル関係にあった高橋由伸と川上憲伸。同じタイミングでプロに入った2人が、また同時期に野球人生の岐路に立った。彼らの野球人生双曲線はまじわることはあるのか――。 文=大内隆雄 高橋由監督要請の日に退団会見を行った川上
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巨人監督就任会見に臨んだ高橋由。重責に身が引き締まる思いだ[写真=高原由佳]
巨人・高橋由伸打撃コーチ兼外野手は、10月23日、都内で渡邉恒雄最高顧問と白石興二郎オーナーと会談、監督就任要請の受諾を伝えた。巨人18代目(14人目)の監督誕生となった。
就任要請から3日後のスピード決断。選手兼任はせず、現役は引退となった。ドラフト会議に監督が出席できないという“異常事態”は、やはり、巨人が大ピンチを迎えていることを物語る。26日に正式発表となったが、高橋由は、この空白が長くなればなるほど、巨人のイメージに傷がつくと考え、まず監督就任。すべてはそれからという、やり方を選んだのだろう。
高橋由は球団広報を通じて次のような所心表明を行った。
「本日、渡邉最高顧問、白石オーナーに今季限りで現役を引退し、来季から監督をやらせていただくことをご報告しました。巨人軍の歴代監督は偉大な先輩方が務めてきました。そこに少しでも近づけるよう、覚悟を持ってまい進します。巨人軍入団から18年間、選手・高橋由伸を応援してくださったファンの皆様には心から感謝します」
まあ、型どおりのものではあるが、「偉大な先輩方」と何かにつけて比較されるのが巨人監督の宿命。そのプレッシャーから逃げずに「覚悟を持ってまい進」するしかない、という気持ちは表れている。
12球団監督の中で最も若い40歳。スタッフ作りが、まず大変だと思うが、球団お仕着せではなく、自分の意志を通した人選でやってほしい。大学時代からの親友、
井端弘和内野手(亜大出)が現役引退を表明したが、井端の頭脳を生かさない手はない。
親友と言えば、奇しくも監督就任要請のあった20日に
中日を自由契約となった川上憲伸投手が、引退はせず新しい働き場所を求めることを発表した。川上は親友というより大学時代からのライバル。かたや慶大の四番、こなた明大のエース・・・
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