2020年の東京オリンピックでの野球・ソフトボールの復活を願って“名優”たちが一肌脱いだ。1月11日、ヤフオクドームで名球会ベースボールフェスティバル2016を開催。野球の普及活動を第一義とする名球会の選手たちが、夢対決を実現させ、野球の面白さを存分にアピールした。 文=小林光男、写真=湯浅芳昭 野球熱を高めて五輪復活への足掛かりに

始球式ではON対決が実現!王の投げたボールを見事に長嶋が打ち返した。ベンチ前で見守った面々もこの夢対決に拍手を送った
まさに壮観の一語に尽きた。ズラリと勢ぞろいした47人の名球会メンバー。
長嶋茂雄、
王貞治(ともに元
巨人)、
山本浩二、
衣笠祥雄(ともに元
広島)、
山田久志(元阪急)……。球史を彩ったレジェンドたちから、
工藤公康(
ソフトバンク)、
金本知憲(
阪神)、
谷繁元信(
中日)、
ラミレス(
DeNA)といった現役監督や、
岩瀬仁紀(中日)、
井口資仁(
ロッテ)、
松井稼頭央(
楽天)らいまだユニフォームを着て第一線で活躍する選手たちまで。1月11日、ヤフオクドーム。歴代のスーパースターたちが集って、名球会ベースボールフェスティバル2016が開催された。
1978年に名球会が創設されて以来、社会の恵まれない人への還元とプロ野球界の底辺拡大に寄与することを目的に、チャリティーイベントや野球教室、親善試合、講演会などの社会活動に力を入れてきた。今年はさらに例年12月に行ってきたハワイでの定例の総会をとりやめ、この一大イベントを福岡の地で開くことになった。
「若手がやろうじゃないかと声を上げてくれた」とミスターが言ったように、元
ヤクルトの
古田敦也実行委員長を中心に準備を進めてきた。さらに、同イベントには最大のミッションがある。誰もが声をそろえるのが、2020年の東京五輪で野球、ソフトボールを復活させることへのアピールだ。女子ソフトボールの上野由岐子も今回参加したが、「8月に(IOC総会で)決まる。野球熱を高めて、少しでもその手助けになれば」と山本理事長は言い、王顧問も「日本にはこれだけ野球が根付いているんだから。悲願を実現する一助になれれば」と語った。
“東京”だけでなくその先にも視線を
2008年の北京五輪を最後に正式競技から除外された野球とソフトボール。しかし、日本において野球は「国技」とされるほど人気は高い。自国で開催される五輪で、その「国技」が陽の目を見ないことほど寂しいことはない。
ワールド・ベースボール・クラシック、プレミア12という野球の国際大会も行われるようにはなったが、やはり日本全国民が注目する五輪でプレーが繰り広げられる意義は大きい。子どもがあこがれるプロスポーツで野球よりサッカーが上を行くことが多くなって久しく、幼少期の野球離れは深刻だ。だからこそ、普段野球を目にしない層への何よりのアピールにもなる五輪を外すことはできない・・・
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