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第87回都市対抗野球大会

いよいよ開幕、都市対抗!東京ドームで男たちのプライドが激突!!

 

第87回都市対抗野球大会は7月15日、東京ドームで開幕し、12日間にわたり、トーナメントによる熱戦が展開される。“真夏の球宴”の醍醐味と言えば、各地区の代表による一球一打の激突。アマチュア野球の最高峰である、同大会の独自の運営を紹介していく。

黒獅子旗を掲げる閉会式のハイライトシーン


昨年、日本生命が18年ぶり4度目の優勝。大阪ガスとの延長14回、4時間43分の死闘を制して歓喜の輪が出来上がった


 都市野球大会が産声を上げたのは、1927(昭和2年)にさかのぼる。途中、第二次世界大戦による中止を挟み、今年で87回目を迎える。第1回大会は明治神宮野球場が舞台で、前年秋に竣功したばかり。後楽園球場の開場は37年9月で、都市対抗は翌38年から使用している(88年からは現在まで東京ドーム)。記念すべき第1回大会を制したのは、旧満州の満州倶楽部(大連市)だった。今もなお、最高の栄誉である黒獅子旗は当時から優勝チームに授与されていた。洋画家・小杉放庵(未醒)がバビロンのレリーフを参考にしてデザインしたものだ。第70回大会(1999年)から3代目の黒獅子旗が使われている。なお、閉会式で授与される黒獅子旗を、主将が自軍の応援スタンドへ向かって高々と掲げるのが、大会のクライマックスシーンとなっている。

 黒獅子エンブレムが登場したのは第72回大会(2001年)。都市対抗優勝チームは1年間、ユニフォームの左袖に黒獅子のエンブレムを着けて試合する。今大会で言えば、昨年の覇者・日本生命が王者の証、最大の“ステータス”を背負うわけだ。

日本生命の主将・岩下知永[龍谷大]が黒獅子旗を応援団へ向かって“披露”するシーンが、大会のハイライトだ


地区代表の趣旨生かされる「補強選手制度」


MVPに当たる橋戸賞には藤井貴が受賞。各賞[久慈賞、小野賞]は偉大な先人の名が冠となっている


 さて、都市対抗の特色としては、個人賞に歴代の偉人たちの名を冠としている点だ。大会のMVPに当たる橋戸賞は第10回大会(1936年)に制定された。大会創設に尽力した橋戸頑鉄(本名・信)が逝去した年であり、故人の功績を称え、表彰される最高の栄誉だ。昨年は日本生命を18年ぶりの優勝へ導いた右腕・藤井貴之(同大)が手にしている。

 第18回大会(47年)からは、大会の敢闘賞にあたる久慈賞が制定された。函館太洋倶楽部・久慈次郎は39年、試合中の事故のため亡くなった名捕手。初回は優勝チームに与えられたが、第19回大会からは準優勝チームから選ばれている。

 第27回大会(56年)には小野賞が制定。主催者である毎日新聞の記者・小野三千麿(日本人初の日米野球勝利投手)が大会発展に貢献した功績を称えて表彰。大会中に目覚ましい活躍をしたチーム、選手、監督に贈られる。昨年は4強進出の王子・近藤均(関大)が受賞した。

 また、目立った活躍を見せた新人選手には、若獅子賞が第44回大会(73年)から制定された。昨年は準優勝の大阪ガス・酒居知史(大体大)が久慈賞とのダブル受賞に輝いた。

昨年準優勝の大阪ガス・酒居は、久慈賞と若獅子賞をダブル受賞した


 なお、都市対抗の独自の運営として「補強選手制度」がある。発案者は先に登場した久慈次郎。出場チームは各地区予選で敗退したチームから5人まで、選手を補強できる。この“上積み”が優勝争いを左右することが多い。都市対抗野球では、日本生命ならば大会中「大阪市代表」と表記、アナウンスされる。企業色が補強選手の融合で薄められ、地区代表の趣旨が生かされている。今夏もドラマが東京ドームで繰り広げられる。
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