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2016年ルーキー総括

2016年、球界に新たな風を吹き込んだ15人のルーキーにクローズアップ!

 

一軍の舞台で大暴れした選手がたくさんいる。特に目立った15選手をクローズアップするとともに、一軍の試合に出場したそのほかの41選手をすべて評価する。

阪神・高山俊(S) 新人安打記録を更新した「超変革」のシンボル



 球団新人安打記録(135安打)を塗り替え136安打を放った高山俊は、そこにまったく満足感を見出していない。「今年の(個人)成績には満足していません。チームの成績にも納得していない」と振り返った。新人というより、すでにチームの中心選手としての自覚が備わり、ルーキーイヤーを終えたのだ。

 ドラフト直前に右手有鉤骨骨折手術を受けたことで、キャンプは二軍で過ごす。しかし、最終クールに一軍に合流すると、天性の柔らかい打撃を披露し、一番打者として開幕スタメンを勝ち取った。

 3月25日の開幕戦(中日戦=京セラドーム)の第1打席で球団初となる新人選手の開幕戦でのプロ初打席初安打での左前安打を放つと、開幕6試合目のヤクルト戦[神宮]では初球先頭打者本塁打(プロ初本塁打)を放つなど華々しいデビューを飾り、まさに金本知憲新監督が掲げた「超変革」による若手起用のシンボル的存在となった。

 高山の特長は好球必打。初球からでも積極的に打っていく。実際に初球打率.323、21安打、5本塁打19打点。1ボールからは.450、18安打1本塁打6打点という好成績を収めた。

 しかし、他球団も対策を進め、弱点である内角胸元を徹底して狙ってきた。これにより打撃が低迷。スタメンを外されることも増えた。だが、修正能力も抜群だった。金本監督や片岡篤史打撃コーチの指導により徐々に克服。後半戦は一軍投手の球のキレにも慣れ、開幕直後のように安打を重ねていった。そして、9月30日の巨人戦[甲子園]で坪井智哉(現DeNA打撃コーチ)の持つ球団新人安打記録を抜いた。しかも、1958年にミスター・長嶋茂雄(巨人)が記録した新人猛打賞14度にあと1つに迫った。その打撃の質は、すでに新人とは言えないレベルにあり、チームに欠かせない存在となった。「来年は優勝を目指し(自分の)成績も伸ばせるようにやっていきたい」とさらなる高みに挑む。

阪神・青柳晃洋(B) 成長中のサブマリン



 持ち味はサイドスローからの144キロの荒れ球の真っすぐ。交流戦の6月1日の楽天戦[koboスタ宮城]で先発に抜てきされ、5四死球を与えながら5回1失点で初勝利。その後トントン拍子に4勝を挙げるも、8月20日の巨人戦[東京ドーム]から3連敗。原因はコントロール難とともに、守備のまずさもあった。今季は4勝5敗と負け越した。しかし、サブマリンは貴重な存在。金本監督も来季へ向け強化指定選手としている。

阪神・板山祐太郎(B) 打撃開眼で躍進



 俊足好打が売りで、キャンプ後半には一軍に招集された。開幕一軍は逃したものの、二軍で掛布雅之二軍監督から打撃指導を受け開眼。追い込まれても粘れる打撃を身につけ、4月22日に一軍デビュー。数試合スタメンを経験も、カベにぶつかり二軍へ。それでもフレッシュオールスターで優秀賞を獲得すると、後半戦は一軍昇格を果たしアピールを続けた。内野もこなせる高い守備能力も持ち合わせるなど、来季の躍進が楽しみな存在だ。

楽天・茂木栄五郎(S) 体格差を感じさせぬフルスイングと全力疾走



 負傷により6月末から約1カ月戦列を離れた以外は、無我夢中で駆け抜けた1年目だった。大学時代から三塁手を務めていた茂木栄五郎だが、プロでは遊撃手として開幕スタメン出場。未知のポジションでの失策数は最終的に19個。12球団ワーストとなってしまったが、守備でのミスを何とか打席でカバーしよう、そんな必死さが常にあった。

 特筆すべきはそのフルスイングだ。プロ初打席は3月25日のソフトバンク戦[koboスタ宮城]。攝津正から放った打球は中堅後方、フェンス手前まで伸びた。「あの打球が抜けなかったのは僕の力不足」と振り返ったが、あいさつ代わりとしては十分だった。そして第2戦、バンデンハークから放った同じような飛球が、今度は中堅を越えていく。このプロ初安打が鮮烈な三塁打となった。この一打を皮切りに、今季は計7つの三塁打。西野真弘(オリックス)と並ぶリーグ最多タイの数字となった。

 11盗塁はチームトップながら、リーグ全体で目立つ数字ではない。ただこのルーキーは、その足でスタンドを沸かせている。8月25日のソフトバンク戦[ヤフオクドーム]で、中堅前へ鋭いライナーを放つ。守る柳田悠岐が飛び込むも、わずかに及ばずこれを後逸。茂木はダイヤモンドを疾走し、一気に生還した。1998年の坪井智哉(阪神)以来、18年ぶりとなる新人選手によるランニング本塁打となった。

 さらに9月19日の西武戦[西武プリンス]。右翼フェンス直撃の大飛球を放ち、外野手が処理にもたつく間に一気にホームへ。1シーズン2ランニング本塁打は92年の川相昌弘(巨人)以来24年ぶり、新人選手では2リーグ制後初の快挙だった。「三塁コーチが止めるまで、全力で行こうと思っていた」と茂木。フルスイングと全力疾走。この“全力”こそが茂木の代名詞だ。「自分のような小さな体(171センチ)でも、プロになって一軍の試合に出られるところを子どもたちに見せたい」。この強い意志が、自身のプレースタイルの源だ。

楽天・足立祐一(A) ポスト嶋に名乗り



 開幕一軍入りを逃すも、チャンスは突如訪れた。正捕手・嶋が5月、右手骨折により離脱。21日に初めて登録されると、即スタメン出場。当初は一軍投手と呼吸が合わない場面も見られたが、場数を踏んでそれも解消され、リード面で信頼を得るようになる。嶋復帰後も、この2捕手併用で戦い、最終的には嶋の80試合に肉薄する73試合に出場。打率.227もプロ初本塁打、決勝打を放つなど打席でも健闘した。2年目は本気で正捕手を奪いにいく。

楽天・オコエ瑠偉(B) 話題沸騰も一歩ずつ



 開幕戦から代走で登場し、2戦目には初盗塁に成功。Koboスタ宮城で誰よりも大きな声援を浴びた。梨田監督の方針もあり、スタメン出場は少ないながらも一軍に帯同。二軍落ちを経て交流戦から定位置を得ると、プロ初安打、初打点、初本塁打と一歩ずつ階段を上がった。一軍では51試合に出場して打率.185。打撃ではプロのカベにぶち当たったが、中堅守備では85の守備機会で失策ゼロ。まずは得意の守備、走塁から食い込みたい。
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