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新春スペシャル対談

野村克也x福本豊 「ID野球の名将」と「世界の盗塁王」がプロ野球の魅力を「2万字」で語り尽くす!

 

苦手な投手はいない!天才福本の盗塁スゴ技


福本氏の独特のリズムの語りに何度も編集部は爆笑


入団4年目、昭和47年(1972年)は、まさに「福本豊の年」だった。開幕から盗塁を量産し、8月27日の東映戦(西宮)で阪急の先輩でもある河野旭輝が持っていた85盗塁の日本記録を抜き去り、さらに9月26日、西宮球場の南海戦でモーリー・ウィルスのメジャー記録(当時)を更新し、シーズン105盗塁を達成した。奇しくも、その相手捕手が野村氏である。記録は106まで伸び、記録達成日に決めた優勝に貢献した福本氏は、シーズンMVPにも輝いている。130試合制での106盗塁。いまでは信じられないハイペースだ。まさに“イケイケ”だったのではと想像したが、福本氏は当時を振り返り、「毎日しんどい、しんどいだけでしたわ」と苦笑いする。

──100盗塁目も野村さんでしたが、福本さんのなかに、シーズン盗塁の世界記録をナンバーワン捕手だった野村さんから決めたいという思いもあったんですか。

福本 そんなのないですよ!あのときは報道がすごくてね。しかも、一度も塁に出とらんのに「なんで、今日は走らんかったんですか」と聞かれたり(笑)。出たって、前にランナーおったら走れませんしな。なに書かれてもいいですが、同じこと聞かれるのが嫌でね。そっとしておいてって、ずっと思ってた。だからいつ誰から決めたいなんて細かいことはなにも考えない。もう毎日しんどい、しんどいだけでしたわ。

──野村さんはどうですか。自分で記録を決められたくないとは。

野村 こっちも記録なんて関係ない。どうしたら福本の盗塁を殺せるかだけ。ただ、もう最後はお手上げでね。バッテリーミーティングでも「福本が一塁に出たら二塁打を打たれたと思って割り切ろう」って話をした。「そう思えば腹も立たんだろう」って(笑)。

──野村さんに盗塁を刺された記憶は。

福本 走った数も多いけど・・・

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