今年も真夏の球宴が7月14、15日に行われた。日本球界のトッププレーヤーのみが集う場で、主役の座を奪うのは誰か。すなわち短期決戦や大きな舞台に力を発揮する“お祭り男”に注目しながら見ていこう。2020年の東京五輪、21年の第5回WBCで侍ジャパンを救う存在になるかもしれない。 取材・文=坂本匠[本誌]、写真=榎本郁也、松村真行、毛受亮介 
2対2の同点の8回表、二死二塁から内川聖一[ソフトバンク]が中前へしぶとく適時打を放って逆転に成功。この一打で2度目の球宴MVPを手にした
第一戦 新旧役者がそろい踏み
ヒットなら、いつでも打てる。まるでそう言わんばかりの内川聖一(ソフトバンク)の2つの巧打に3万人超の観衆が唸る。特に2対2の同点で迎えた8回二死二塁の場面だ。途中出場で2度目の打席に立った内川は、セ・リーグの5番手・
マテオ(
阪神)の投じた真ん中低めの速球に逆らわずにバットを合わせ、二遊間を破る技ありの逆転タイムリー。「ここで打てば、とMVPが頭をよぎりました」と狙って2度目(1度目は2013年の第3戦)の球宴MVPは、さすがの一言だろう。
1対2とパが1点を追う7回には、三番・DHの
大谷翔平(
日本ハム)に代わっての代打出場に「(ファンは大谷を)見たかったと思う。申し訳ない気持ち」で打席に入ったが、
又吉克樹(
中日)から8回と同じように、いとも簡単に中前に弾き返し、その後、同点のホームを踏んでいる。チャンスメークに試合を決める価値ある一打。8月4日で35歳となるベテランだが、WBC3度出場、日本シリーズでもMVP(14年)に輝くなど、豊富な経験からくる勝負強さは、まだまだ若手にはマネできそうもない。
とはいえ、主役こそ内川に譲ったが、インパクトの強さでは・・・
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