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野球界を支える舞台裏の仕事人

巨人 チアガール・栗本唯梨 野球界を支える舞台裏の仕事人

 

日本のプロ野球チアガールの先駆けとして1994年から活動を開始し、いまや読売ジャイアンツの試合開催には欠くことができない存在となったヴィーナス。今回は21人のメンバーをまとめるリーダーの栗本唯梨さんに、多岐にわたるヴィーナスのお仕事について紹介してもらった。
取材・構成=坂本匠、依田真衣子 写真=松田杏子、BBM


きっかけは地元・長野での巨人戦。郷ひろみのモノマネでインパクト


 昨年までの18人からヴィーナス史上最多の21人になったチームを、先頭に立って引っ張るのが、メンバー最長4年目のシーズンを迎える栗本唯梨さんだ。まずはヴィーナスに加わるまでの経緯から聞いていこう。

 私がヴィーナスに興味を持ったきっかけは、2014年に地元の長野で行われた巨人戦でした。もともと、小さなころからダンスを習っていて、ずっと通っていたダンススクールがあったのですが、この巨人戦のときにヴィーナスとコラボをするということに。そのとき、私は上京していましたが、スクールから「帰ってきて」と連絡をもらい、一緒に参加させていただくことになりました。このときにヴィーナスという存在を知り、当日はスタンバイ中に当時のメンバーの方にどんなことをしているのか、年間でどれくらい曲数を覚えてどんなダンスをするのか、衣装は……などいろいろお話をうかがって、すごく興味を持ちました。

 翌日からいろいろ調べて、11月にオーディションがあることを知り、応募。書類審査と2次審査でダンスと面接、最終審査ではフリーのダンスとダンス以外の特技披露もありました。特技ですか? 私はダンスしかなかったので困ったのですが、どうにかインパクトを残そうと考えて、つけまゆげに赤いジャケットを着て、アカペラで郷ひろみさんのモノマネを(笑)。審査員の方も笑ってくださって、合格できて良かったです。2年目以降は、経験者は面接のみになるので郷ひろみさんのモノマネは必要なかったのですが(笑)、ヴィーナスへの熱い思いを伝えて、今年で4年目を迎えています。

 東京ドームで18時から試合がある場合、私たちは12時くらいに球場入りし、チームみんなでその日に予定されているダンスを1時間から1時間半ほど練習します。14時過ぎからは4種類程度の練習見学ツアーが行われるので、何人かずつに分かれてお客様のアテンドをさせていただくのですが、夏の期間は8種類に増えたりするので、ヴィーナス総出。私たちが東京ドーム内の見どころを紹介させていただいたり、ジャイアンツOBの方の解説付きツアーもあったりと、種類も豊富で、きっと楽しんでいただけると思いますので、ぜひいらしてください。

 土曜日、日曜日だけの特別なお仕事もあって、試合開始2時間前くらいに22番ゲート前の特設ステージでダンスパフォーマンスをしたり、サイングッズの抽選会も実施しています。同時進行でステージに出ないメンバー(ステージには6人のメンバーが出演します)は各ゲートでお客様のお出迎え。コンコースを歩いて子どもたちに選手のシールを配ったりもしています。17時くらいまでは各ゲート付近にいますので、気軽に声を掛けてほしいですね。

 ちなみに、今年からジャイアンツのスタメン発表のときに、ファンの子どもたちに「ジャイアンツ勝ち取れ〜!」という合図を送ってもらっているのですが、このイベントに参加してくれる子どものスカウトも開場直後のコンコースで行っています。また、5回裏終了後のキャップシャッフル(※シャッフルされたキャップのどれにボールが入っているか当てるゲーム)に参加してくれる子どものスカウトも同時に行っているのですが、試合のイニング間にグラウンドに立って、好きな選手にメッセージを送ってもらうので、終了後、その選手が握手をしに来てくれることも。子どもたちにとっては夢のあるイベントですよね。

試合開始前のダンスタイムはヴィーナスの見せ場の1つ。今年度は栗本さんが振り付けを担当した曲も。ぜひ注目を!!


試合中は分刻みのスケジュール。ダンススクールの講師も担当


 グラウンド内でキレキレのダンスを披露するヴィーナスの姿を目にしたことのあるファンは多いと思うが、彼女たちの仕事はダンスだけにとどまらない。表には見えてこない知られざる舞台裏についても紹介してもらおう。

 ここからは試合に向けてのお仕事です。17時過ぎに一度、控え室に集合して1日の流れを再確認。17時40分から、試合前ダンスを16人(土日は18人)で踊ります。踊り終わった後、ジャイアンツの選手が守備に就くので、ベンチ前に花道を作ってグラウンドに送り出すのも私たちの大切なお仕事です。

 試合が始まった後も、さまざまなお仕事があります。ジャイアンツの選手がホームランを打ったときにベンチ前でホームラン人形をお渡しするのもそうですし、3回表終了後のダンスタイム、4回表終了後のジャビットスーパーバズーカ(スタンドにTシャツを打ち込みます)、5回裏終了後のキャップシャッフル、7回表終了後のジャイアンツのラッキーセブンで「闘魂込めて」に合わせてのダンスもそうです。ちなみに、これらのイベントの間は準備をしたり、試合状況を見ながらダンスの練習をしたりと、意外に慌ただしいんですよ。ジャイアンツが勝利した際は花道を作ってヒーローインタビューを盛り上げ、選手をヒーローカーに乗せて場内一周の運転もヴィーナスの担当です。最後に「闘魂込めて」を踊り、基本的には1日のお仕事は終了です。

ヴィーナスの仕事は多岐にわたる。写真はホームラン人形を渡すヴィーナスのメンバー


 東京ドームでのお仕事以外にも土日のジャイアンツ球場での二軍戦に駆けつけたり、地方開催のゲームや、チア交流でビジターゲームにうかがうことも多くなってきました。

 グラウンド外では、社会貢献活動「G hands」の一環として、都内の幼稚園を訪問し、ダンスを教えることもあります。また、ヴィーナスダンススクールを開校していて、私を含め3人の現役ヴィーナスが講師をしています。踊ることの楽しさに気付いてくれたり、東京ドームに来るキッカケになってくれたらいいな、と思っています。

 今年は昨年よりも3人増え、ヴィーナス史上最多の21人になりました。私を含め、1/3が経験者、2/3は新メンバーです。フレッシュなパワーがギュッと詰まっているので、そのパワーでジャイアンツを後押ししたいですし、ファンの皆さんを盛り上げて、スタンドのお客様とグラウンドとの懸け橋になれるように頑張りたいなと思っています。

読売ジャイアンツ
□読売ジャイアンツ・マスコットガール ヴィーナス
□リーダー/4年目
<主な職務内容>
◎グラウンドダンス・パフォーマンス
◎東京ドーム内ツアーのアテンドほか

東京ドーム(ナイター時)での1日のスケジュール
12:00 東京ドームに出勤
12:05 チームでダンスの練習
14:00 各種グラウンドツアーのアテンド
16:00 場外ステージでダンス
お客様のお出迎え
17:40 グラウンドダンス
18:00 試合開始〜終了 ※本文参照
21:30 ミーティング→終了


PROFILE
くりもと・ゆいり●長野県出身。幼少のころよりダンスを始め、2015年度よりヴィーナスに加入。2018年度はメンバー21人中最長のキャリア4年目で、リーダー。「ジャイアンツヴィーナスダンススクール」では講師を務め、試合前のグラウンドダンスの振り付けも担当する。
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