シーズン最終盤を迎え、名選手たちが次々と今季限りでの現役引退を表明した。時代を彩り、プロ野球の隆盛に力を尽くした男たち。その栄光の記憶は球史に燦然と刻み込まれている。 
相手バッテリーの配球を読んだ巧みな打撃は若手の良き手本に。助言を受けた先輩の名として、必ず小谷野の名が挙がった
計算できる選手を目指したからこそ
相手の配球を読み、巧みなバットコントロールで左右に打ち分け、ときに長打も放つ。“勝負勘”を誰よりも研ぎ澄ませたバットマンが、プロ16年目の今季限りで現役生活に幕を下ろす決意を固めた。9月27日。京セラドームで引退会見が行われ、理由を明かす。
「心と体がズレてきて。自分が努力するほど、そのズレが大きくなっていった」
心技体のズレは、下半身のコンディション不良で今年6月末に登録抹消されたころから生じたという。「チームに貢献できていない。足を引っ張っている」と、自らを奮い立たせながらも二軍で調整した中で「今までだったらできたことが、できなくなった」と自らの引き際を決めた。
そんな理由が、小谷野の歩みを物語る。
日本ハム時代・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン