MLBオールスターチームに5勝1敗で大きく勝ち越し、賞金計9000万円(総額1億円)を手にした。結果は素直に喜ぶべきだが、“チャレンジ”を掲げた今大会では、勝利以上に大切なターゲットがあることを戦前から稲葉篤紀監督が明らかにしている。(1)左投手、(2)動くボールへの対応、(3)三塁手の3点に絞り、今大会を振り返る。 国際試合に強い“左投手”の発掘は?
■先発&リリーフに発見あり。松井はどうなる? 来秋に予定されている『プレミア12』も、2020年の『東京五輪』も、金メダルへの最大の障壁はアジア勢、つまり韓国と台湾である。この2チームには台湾の大王こと
王柏融(ラミゴ)を始めとした強力な左打者がそろっていることから、稲葉篤紀監督は「左投手が大事。国際大会でどこまで通用するか見てみたい」と6人の左腕を招集していた。
大抜擢ながら期待に応えたのがプロ2年で一軍7勝の
笠原祥太郎(
中日)だ。台湾との壮行試合、日米野球最終戦(第6戦)と、唯一、今大会2試合の先発を任され、対アジア、対MLBともにチェンジアップと直球の緩急差を用いたコンビネーションで相手を手玉に。今大会では2番手での登板が多かった
濱口遥大(
DeNA)も真上からたたく直球の角度、同じ位置からの落差のあるチェンジアップがMLB打線を寄せ付けなかった。これには指揮官も「落ちるボールはチェンジアップを含めて有効」と認識を確かなものに。左腕+落ちるボールは今後、稲葉ジャパンのキーワードとなりそうだ。
なお、
松井裕樹(
楽天)は抑えとしての招集も、今季終盤は楽天で先発に挑戦している。来季はどうなる?
全左投手CHECK
■中日・笠原祥太郎 編集部判定◎ <評>2試合に先発し稲葉篤紀監督も注目した特殊球=チェンジアップとカーブが生きる。最速140キロのストレートとの緩急を駆使したコンビネーションが有効で大きなインパクトを残す
登板試合 ・壮行試合(先発) 2回1安打2三振0失点
・第6戦 (先発) 4回2/3 4安打4三振0失点
■DeNA・濱口遥大 編集部判定○ <評>第2先発で3試合に登板。制球を乱す場面もあり、3戦3四球が失点にも絡んだが、ストライクゾーンで勝負し、タテに鋭く落ちるチェンジアップが有効。計9奪三振に魅力あり
登板試合 ・壮行試合(中継) 2回 0安打3三振0失点
・第2戦 (中継) 2回 2安打2三振0失点
・第5戦 (中継) 2回 2安打4三振1失点
■楽天・高梨雄平 編集部判定○ <評>肝心の台湾戦では被弾があったが、変則のサイドスロー左腕はやはり貴重。左の少ないMLB打線に対しても右打者のインコースを強気に突き、満足なスイングをさせなかった
登板試合 ・壮行試合(中継) 1回 2安打0三振1失点
・第3戦 (中継) 1回 0安打1三振0失点
・第5戦 (中継) 1回 1安打0三振0失点
■楽天・松井裕樹 編集部判定◎ <評>中継ぎ登場の第4戦に犠飛で1点を失うも、それ以外は危な気ないマウンドさばき。WBCも経験しており、現代表では最もキャリアのある左腕。今回は抑えも来季以降どうなる?
登板試合 ・第2戦 (抑え) 1回 0安打1三振0失点
・第4戦 (中継) 1回 1安打0三振1失点
・第5戦 (抑え) 1回 1安打1三振0失点
■阪神・岩貞祐太 編集部判定▲ <評>台湾との壮行試合での1回5失点炎上の印象が悪過ぎる。一方で、対MLBでは本来は先発投手の経験を生かしての
ロングで機能。力のあるボールでメジャーのバットを押し込む
登板試合 ・壮行試合(中継) 1回5安打2三振5失点
・第3戦 (中継) 1回2/3 2安打3三振0失点
・第6戦 (中継) 2回1/3 2安打3三振0失点
■ロッテ・成田翔 編集部判定× <評>10月中旬に行われていたU-23W杯で稲葉篤紀監督のもとプレーしており、開幕直前にメンバー変更のために緊急招集。一軍未勝利の左腕は制球が甘く、痛打食らう。これも経験
登板試合 ・壮行試合(中継) 1回 1安打0三振0失点
・第1戦 (中継) 2/3回 1安打0三振1失点
・第3戦 (中継) 1回 3安打0三振2失点