週刊ベースボールONLINE

12球団2018年シーズン回顧

中日・伝統のリリーフ陣が総崩れ。打線は好調も歯車かみ合わず/12球団2018年シーズン回顧

 

2018年シーズンは大きな話題を呼んだ松坂大輔の入団から始まった。黄金期の功労者たちがユニフォームを脱ぎ、ドラフトでは大本命を獲得。森繁和監督は退任し、首脳陣も新体制となった。時代の節目と呼ぶべき1年間を振り返る。

[2018年成績]※成績部分の数字はリーグ順位
63勝78敗2分 勝率.447
598得点(4)、654失点(5)、打率.265(2)、52失策(1)
97本塁打(5)、61盗塁(5)、防御率4.36(6)

成績不振で森繁和監督[中央]が退任。来季は新体制となり7年ぶりのAクラス入りを目指す


“予想外”で二転三転


 昨季5勝の鈴木翔太小笠原慎之介、2年目の柳裕也ら若手に、吉見一起大野雄大ら経験豊富な中堅たち……。現有戦力だけで、盤石の先発ローテーションが組めるはずだった。ケガ人ゼロでシーズン開幕を迎えたものの、ローテ候補の一角だった鈴木翔のコンディション不良で二軍スタートがケチのつき始め。開幕カードで広島に3連敗を喫し、そこから浮上できずにBクラスをさまよい続けた。エースたるべき大野雄が未勝利。メジャー51勝右腕の新助っ人ディロン・ジーは、5月に血行障害を発症して帰国した。開幕投手を務めた小笠原も、遊離軟骨除去手術のため8月中旬に離脱。彼らを含め、前述の“先発候補”たちは軒並み総崩れに。それでも、問題は徐々に解決に向かった。新加入のオネルキ・ガルシアがローテを守り切り、チーム3年ぶりの2ケタ勝利。入団テストを経て加入した平成の怪物・松坂大輔は6勝と、復活を印象付けてカムバック賞を受賞した。同じく6勝の笠原祥太郎ロングリリーフもこなした藤嶋健人も大健闘した。

 とはいえ、先発以上に頭が痛かったのが中継ぎ陣だ。38度の逆転負けがそのすべてを物語る。クローザーの田島慎二は防御率7.22。又吉克樹谷元圭介も精彩を欠いた。鈴木博志はチームトップの53試合に登板したが、ルーキーに通年の活躍をいきなり求めるのは酷。夏場はさすがに疲れを見せた。中継ぎ左腕もコマ不足で、左手血行障害の手術から復帰したばかりの岡田俊哉、43歳の岩瀬仁紀に頼り切りだったのが現状だ。

 一方で、チーム打率はリーグ2位。主砲のダヤン・ビシエドが首位打者と最多安打のタイトルを獲得。平田良介はリーグ3位、新加入のソイロ・アルモンテも同5位と、主軸のバットは火を吹いた。

 しかし、チーム得点598はリーグ4位と効率が悪かった。昨季新人王に輝き、主に一、二番を任された京田陽太の出塁率が3割以下だったことも、その要因の一つといえる。

時代の節目に


 レジェンドたちの引退も忘れてはならない。1000試合登板をはじめ数々の金字塔を打ち立てた岩瀬に、浅尾拓也荒木雅博ら、球団史上唯一の連覇(2010、11年)の立役者たちがユニフォームを脱いだ。

 その中で、若手の芽吹きもあった。クローザー不在の危機を救った佐藤優と、大ブレークの笠原は侍ジャパンに選出。柳も終盤には一軍に合流し、来季への足掛かりを作った。高卒ルーキー投手トリオの石川翔清水達也山本拓実も一軍のマウンドを経験し、手応えを得た。

 ドラフトでも、大本命の根尾昂(大阪桐蔭高)を4球団競合の末に獲得。才能を秘めた逸材たちを将来の主力へと育てあげる意識が、チームに生まれている。

 しかし、成績不振に変わりはない。森繁和監督の退任が決定し、新指揮官には与田剛が就任した。戦力整備は、連覇時の落合博満監督が就任当時に掲げた「現有戦力の10%の底上げ」を踏襲すると見られる。

 レジェンドたちの引退、首脳陣の一新、スーパールーキーの指名……。黄金時代の余韻はもうない。一つの時代の幕を閉じ、新たな黄金時代へと舵を切る。

躍り出た次世代ホープ 藤嶋健人投手 強気で攻めた若きエース候補



 シーズン序盤は、ロングリリーフもこなす便利屋的存在の藤嶋健人に初先発の機会が回ってきたのは、松坂大輔の先発が予定されていた6月17日の西武戦(メットライフ)だ。その松坂が背中を痛め登板回避。試合開始15分前に先発を伝えられるドタバタ初先発も、6回2失点で初勝利を手にした。それをきっかけに、後半は先発ローテーションの一角に。強気の内角攻め、堂々としたマウンドさばきは、良い意味で高卒2年目の若さをまったく感じさせない。明るいキャラクターで人気も抜群。来季も“ふじっしー”を前面に、実力で名前を売る。

担当が選ぶ 2018ベストゲーム 松坂の先発、浅尾が復帰、そして平田がサイクル達成


8.16 ナゴヤドーム


 松坂大輔が先発し、ナゴヤドームに約3万5000人を集めたが、ヒーローの座は、初回先頭打者弾を放った平田良介が奪った。2回と4回に二塁打を放ち、5回には三塁打。7回に単打を放ち、見事サイクルヒットを達成。惜しみない拍手が平田に送られる中、今度はそのターゲットが浅尾拓也に代わる。8回からマウンドに上がった浅尾は、シーズン初登板。一死満塁のピンチを背負ったが、ファンの歓声に背中を押され、無失点で切り抜けた。勝利投手は、6回を3失点でゲームメークした松坂。ファンを喜ばせる要素だけを詰め込んだ試合だった。

2018基本布陣


※△は左投げまたは左打ち、□は両打ち

HOT TOPICS

HOT TOPICS

球界の気になる動きを週刊ベースボール編集部がピックアップ。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング