飯田晴海(新日鐵住金鹿島・投手) 指名漏れの悔しさ胸に、最速149キロ
プロ志望届を提出した東洋大時代、飯田晴海の名がドラフト会議で呼ばれることはなかった。“運命の日”を「人生で忘れられない日」と飯田は言う。
新日鐵住金鹿島に入社後は、大学時代のケガの影響もあり、焦らず、じっくりと体作りに励んだ。春先からショートイニングでの登板機会はあったが、社会人の舞台で実力を発揮し始めたのは夏を過ぎてから。秋からは徐々に登板イニングが増え、迎えた日本選手権では中継ぎとして躍動した。
JFE西日本との準決勝では5回途中のピンチの場面から登板。東洋大時代からの決め球であるスライダーやチェンジアップを巧みに使いながら、ストレートは140キロ台中盤を記録。空振り三振にセカンドゴロと、後続をきっちりと打ち取って得点を許さなかった。6回裏は二死から単打3本を浴びて1失点するも、7回裏からの2イニングスは完璧に近いピッチングで無安打に抑えた。その試合では、自己最速となる149キロもマークした。
ただチームは2点差で敗れ、決勝進出を逃す。
「一球の差と重みを感じた」
秋の経験は、必ずや飯田の成長につながる。「一球の出し入れを大切にしたい」とも話す飯田の言葉には実感が込められていた。「新たな自分探し」と言い、社会人野球に飛び込んできた右腕は、今シーズンに向けてこう語るのだ。
「エースとして認められるように、人間的にも成長したい。今年は勝つピッチャーを目指します」
PERSONAL CHECK
最速 149キロ 変化球 カーブ、スライダー、チェンジアップ、ツーシーム、フォーク 
新日鐵住金鹿島の所在地である茨城県は、飯田にとっては地元。常総学院高時代の実績を知る人も多く、地元ではスター選手だ。2年目の今年はエースとしての活躍が期待される。
PROFILE いいだ・はるみ●1995年8月30日生まれ。茨城県出身。175cm72kg。右投右打。茎崎第一小では茎崎ファイターズ(軟式)でプレー。高崎中では軟式野球部に所属。常総学院高では3度の甲子園出場を果たし、3年夏は8強。高校日本代表に選出された。東洋大ではエース兼主将として活躍。
宮川哲(東芝・投手) ザ・二重奏!直球のスピード&変化球のキレ
1回裏の先頭打者に対する初球、電光掲示板に表示された152キロのスピードにスタンドがざわついた。宮川哲にとっては自己最速。昨秋の日本選手権、新日鐵住金広畑との準々決勝でのことである。
その初球を皮切りに、立ち上がりから150キロ台のストレートを投げ込んだ。自慢のストレートで相手打線を翻弄した宮川哲は、前半5回を終わってわずか1安打に抑える。5三振を奪う中で点を許さなかった。終盤になり、ややスタミナが切れて完投こそ逃したが勝利に貢献。実力の高さを見せつけた。
社会人1年目の昨年は春先から投球フォームの改善に努めた。
「上半身に頼るのではなく、下半身をしっかりと使い、その力をボールに伝える投球をより意識した」
徐々にピッチングに安定感が生まれると、夏を過ぎてからは力強さも増した。
上武大時代からイキのいいストレートを投げ込む右腕として注目された。カーブ、チェンジアップ、カットボール、フォークと変化球も多彩。「変化球を投げるときは、ストレート以上に腕を振ることを意識しています」。キレのある変化球が打者を手こずらせるのだ。
今は変化球を生かすためにも、まずはストレートにこだわりたいとも話す。
「ストレートの質を高めて、もっとレベルアップしたい」
プロ志望届を提出した大学時代に叶わなかったプロ入りを視野に入れ、今シーズンに向けてさらなる飛躍を誓う。
PERSONAL CHECK
最速 152キロ 変化球 カーブ、カットボール、チェンジアップ、フォーク 
ストレートは常時140キロ台前半から中盤を誇る。「リリースの力加減で意識的にスピードを調整しています」。課題であるスタミナを克服すれば、完投能力は十分だ。
PROFILE みやがわ・てつ●1995年10月10日生まれ。奈良県出身。177cm80kg。右投右打。生駒南第二小では生駒クラブライオンズ(軟式)に所属。生駒南中では生駒ボーイズでプレー。東海大山形高では3年夏に県大会8強。上武大では下級生の頃から登板機会を増やし、5季連続の全国大会4強の原動力となった。
取材・文=佐々木亨 ベースボールマガジン1月号より転載