6月4日にスタートした「日本生命セ・パ交流戦」。いつもとは対戦相手も変わり、当然戦いの様子も変わってくることになるが、その中ではどんな攻防が繰り広げられたのだろうか。ここでは、第1週のカードから3つのゲームをピックアップ、まずは交流戦前に好調を維持したチーム同士の開幕カード。初戦は巨人が楽天のクローザー・松井裕樹を打って逆転勝利も、第2戦は巨人が8回に救援陣の4四死球の乱調で勝利を手放した。井端弘和氏がポイントとしたのは、3安打の新人・渡邊佳明と3回に絶体絶命のピンチを救ったC.ビヤヌエバの好守をフイにした、“内野安打”だった。 解説/井端弘和(野球解説者)、写真/井沢雄一郎 
この日3安打で巨人バッテリーにプレッシャーをかけた楽天の渡邊佳明
渡邊佳明の打撃内容に追い詰められた継投
交流戦開幕だった前夜の初戦は、巨人が楽天のクローザー・松井裕樹から9回に逆転し勝利(3対2)を収めています。この日の序盤の両捕手の配球からは、前夜の影響を色濃く感じました。実はこの初戦、得点は4本(1本は2ラン)の本塁打によるものです。しかも、すべて緩い変化球が甘く入ったもの(抜けたスライダー、フォーク、チェンジアップ)でした。
この残像が両捕手の頭にあったのでしょう。球速の遅い変化球を避けるような配球となりました。実際、巨人先発の
田口麗斗(捕手は
小林誠司)はチェンジアップを使えず、初回以外は得点圏に走者を背負う苦しい投球に。球速が146キロまで出ていたのに、奥行きを生かせませんでした。一方の楽天先発の
古川侑利(捕手は
堀内謙伍)は150キロ超の強い真っすぐにチェンジアップのコンビネーションで5回までゼロ封ですが、このせいで球数が増え(5回終了で97球)、6回先頭の
坂本勇人に初回に見逃し三振を奪ったチェンジアップを狙い打たれて本塁打されています(これで降板)。緩いカーブ、スライダーを積極的に交ぜていたらどうだったか。田口も同様ですが、そんな印象を受けた両先発投手でした。
最終的に試合を決めたのは、残念ながら・・・
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